人間の手足の長さは住む場所によって決まっている…だけではなかった

人間の体長と気候の関係性

私たち人間を含めた恒温動物の体長や手足の長さは、住んでいる地域の気候に適応して変わってきたと、長い間信じられてきました。しかし新たな研究で、進化の要因はどうやら気候だけではなさそうだとわかったのです。

ノックスビルにあるテネシー大学の人類学の研究者たちがProceedings of the National Academy of Scienceに発表した論文いわく、人間の手足の長さは気候のみを要因として進化したわけではないとのこと。論文の共著者で博士課程の学生であるKristen Savellさんは「私たちが必ずしも知りえなかった形で進化してきた」と語っています。

人間は体温保持のため、生息する地域の気候(つまり緯度)に適応してきたと1900年代後半から考えられてきました。温暖な気候に生息していれば手足は長く体は小さく、寒冷な気候に生息していると手足は短く体は大きくなるという考えです。これはベルクマンの法則アレンの法則に基づくものでした。

研究チームは人間の人体比率と緯度の関係を調べるために、サブサハラアフリカ、北米、ヨーロッパそして北極の4つの地域の400人を対象に上腕骨、橈骨(前腕の骨)、大腿骨、脛骨(むこうずねの骨)といった4種類の骨の長さ、そして大腿骨骨頭の直径と骨盤の幅も調査しました。  

その結果、前腕とすねと全体としての身体のサイズは、予想どおり前述の法則に則って進化していると確認されましたが、上腕骨と大腿骨は異なる、つまり気候以外の要因があることを示唆していたのです。

大学のプレスリリースによれば、研究チームは自然選択説では緯度が高い寒冷な地域だと長くなるはずの上腕骨が、すねや前腕とともに短くなっているのを発見したとか。これは、前腕やすねと上腕骨との遺伝的な相互関係が、自然選択による直接的な影響に勝ったということを示しています。

気候だけでなく、遺伝的な相互関係などの要因も人間の形や体長に影響を与えている。私たちの進化の過程は思っていた以上に複雑だったようです。

image by Shutterstock

source: Phys.org

Carli Velocci - Gizmodo US[原文

(たもり)