新種の病原体襲来。農業国オーストラリアに迫る脅威

赤トウガラシ

他の作物にひろがっていく危険性も…

オーストラリア北東部、クイーンズランドのトウガラシに、黒変茎が腐るといった異変が起きているようです。植物に黒い病斑が発生して、しまいには枯れるという症状の「炭そ病」とよばれる病気が疑われました。

生態学者の研究チームは、これまでオーストラリアのトウガラシに見られた、炭そ病の原因となるすべての病原体を検査しましたが、今回の病気には該当しませんでした。そこで範囲を広げながら分子技術と古典的分類法を使って調査を進めたところ、炭そ病を発症する可能性のある新たな病原体を発見しました。

炭素病のトウガラシ

炭疽病にかかったトウガラシ(image: メルボルン大学)

Plant Pathologyで公開された論文によると、新たな4つの病原体のうち3つは、これまでアボカドやパパイヤをはじめ野菜や果物に見られたことがあるのに対し、1つは今まで確認されたことのないものでした。

炭そ病の病原体は他の作物に簡単に飛びうつる恐れがあり、中でもパパイヤマンゴーなどのトロピカルフルーツに拡散されやすい特性があります。特に最近は、炭そ病自体は世界中でみられる病気であり、通常は殺菌剤で感染が防げますが、抵抗性を持ち、薬が効かない病原体も増えてきています。オーストラリアは生産された農産物の大半を輸出しているため、輸出産業への影響も懸念されます。

もともと農業や環境保護のための厳しい検疫制度が実施されていることで知られる同国ですが、今回のケースでいえば遠く離れた国外ではなく、近場の作物に対する効果的な隔離システムが必要とされています。

Top image: Chris Brown/Flickr

source: Plant Pathology

Ria Misra - Gizmodo US [原文

(Rina Fukazu)