小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である

小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である 1

よ、現代キッズ!

私が子どものとき、習い事と言えばピアノ、お習字、水泳などがメジャーでした。小学校は、まだ土曜日休みじゃなかったし、円周率は3.14だったし、ダンスの授業も英語の授業もありませんでした。先日、友人の子どもにお昼に何食べたのか尋ねたら、「トムヤムクン」と言われ驚きました。現代の子どもたちを、自分の子ども時代のモノサシで見てはいけない、つくづくそう思う今日この頃です。だって、ぜんぜん違うんだもんね。

昨今、親が子どもに習わせたい人気のお稽古はプログラミングだという話を耳にします。へぇ、なるほどーくらいの気持ちでいましたが、子どものプログラミングがどれだけメジャーになってきたのか、よくわかる出来事がありました。

今春、NHKが子どものためのプログラミング番組を放送したのです。ご存知の方もいるでしょう、「Why!? プログラミング」ですね。

「Why!? プログラミング」

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「Why!? プログラミング」は、3月の21日から25日、Eテレで放送された子どものプログラミングをテーマにしたテレビ番組。さらに、つい先日、8月の1日から3日に、シーズン2が放送されたばかり。ターゲットは小学校5年生から高校生。出演するのは厚切りジェイソンと、ラムとプログという人形。番組ホームページによれば、その内容はこうです。

全てがプログラミング言語「スクラッチ」でできた仮想の世界「スクラッチ・ワールド」。しかし、プログラムに不具合が発生し、ちょっとおかしな世界になってしまった! 危機を救うため、天才プログラマーの少女ラム・その弟プログが結成したレスキュー隊に、新人隊員ジェイソンが加わった。仮想世界の命運は、この3人のプログラミングに託された!

番組はワンシーズン数回だけのスペシャル放送でしたが、現在もウェブサイトで番組を見ることができます。番組内で使ったプログラムコンテンツは、「スクラッチ」の番組アカウントNHK_for_Schoolで公開されています。

では、番組で使ったプログラム「スクラッチ」とは何なのでしょう?

遊べるプログラミング、スクラッチとは?

スクラッチは、マサチューセッツ工科大学のMITメディアラボが開発したプログラミング言語で、子どもの学習教材というアイディアのもと作られました。プログラミングそのものを学ぶのではなく、プログラミングの仕組み、考え方を学習するというのが特徴です。

ゆえに、スクラッチ開発環境のUIも、コードを書くのではなく、カテゴリ分けされたコマンドのブロックを追加、編集して動きを作っていきます。スクラッチサイトで、自分の作品を作ったり、シェアしたり、人の作品を見たりできます。NHKの教材をもとに自分なりに編集を加えてみるのも、これまた一興。実際触ってみるとわかりますが、遊び感覚だけど、ただの遊びじゃありません。大人でも私のようなプログラミング初心者には手強いところもあり。正直、チュートリアルや先生が欲しくなりますね。

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アカウントの作り方は「Why!? プログラミング」で紹介されているので、是非どうぞ。やってみるといい頭の体操になります!

さて、私がスクラッチで少々手こずっているところ、友達のYくんがこれで遊んでいるというので、一緒にやることにしました。友達のYくん、小学校1年生です。

Yくんと「スクラッチ Jr」で遊ぶ

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iPadを持って我が家にやってきたYくん。スクラッチを教えてくれるというので、度肝を抜かれましたが、Yくんがやっていたのは「スクラッチ Jr」。こちらもMITメディアラボが開発したプログラミングで、スクラッチよりもターゲット年齢が低く、5歳から7歳が対象となっています。基本的な仕組みはスクラッチと同じですが、イラストやアイコンが多く、より簡単に直感的にプログラムを組めるUIが特徴。Yくん曰く「スクラッチはジェイソンじゃないとできない」とのこと。

小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である 5Yくん(小1)と妹のEちゃん(年少さん)。私が作ったケーキが動くプログラムを批評中。

小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である 6わからないところを質問する私と解説するYくん。ホームボタンを狙う私の娘H(1歳)。

「Why!? プログラミング」を見て、お父さんにアプリをダウンロードしてもらい、スクラッチ Jrを始めたというYくんですが、自分の描いたオリジナルキャラを使ったり、セルフィーをキャラに当てはめてみたりと、すでになかなかの腕前。私への解説もしっかりしていました。私がいじるのを横で見ながら、「それだと回転しちゃうけど」とか「リピートはこっちだし」など、アドバイスがけっこう的確で完全にこちらが生徒。子どもをビビらす作品を作ろうと奮闘しましたが、なんだかんだYくんの妹Eちゃんも加わって、その他の大人も身を乗り出して、アイスクリームサンドも飛び交って、子どもも大人も関係なくiPadの取り合いとなりました。みんなで学ぶって楽しいね、…ね!

小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である 7小1男子の絶対的アイテム「うんち」をオリジナルキャラにしてプログラミング。

小1男子と遊んで納得。プログラミングは現代の子どもにとって身近な「遊び」である 8Amazon Prime Videoを見るYくんの横で、やっとゆっくりお絵描きに集中できるEちゃん。

年少さんの妹Eちゃんは、スクラッチ Jrをお絵描きアプリとして使用。私の娘、1歳のHは、ひたすらホームボタンを押す遊び。デジタルネイティブ世代ならではの、それぞれの遊び方。

Yくんとスクラッチで遊んで、実感しました。私たちの学生時代には、ナードだギークだオタクだとされたプログラミングは、現代の子どもにとって非常に身近な「遊び」であると。JavaとかC言語とかPHPとかJavaScriptとか、そういうことじゃないんですね。要は「モノ」1つ1つに、「動き」を1つ1つ設定していくという、基本構造をイメージすることが大切なのです。

気がつけばデジタル社会になっていた私たち大人(一般人)は、完成品を先に見てしまいました。後から「実はこれ全部プログラミングでできていてぇ」とか「この四角が赤くて右にあるのも全部コードでぇ」と言われても、完成品の裏にあるものをイメージしにくいのです。結果、プログラムという世界の全体像を掴むのが非常に難しく、プログラムはプログラマーやエンジニア以外の人には、遠い世界の話に聞こえてしまいます。しかし、プログラムが身近な遊びとして存在する現代の子どもたちにとっては、その世界をイメージするのが比較的容易です。四角を赤くするためには塗るのではなく、四角に赤だと教えてあげるという考え方がすぐにできるのでしょう。

Yくんと私は、モノの見方が違うんだね。これも世代ギャップ。

photos by @otaym

source: NHK, Scratch, ScratchJr

(そうこ)