音の魔術師「フォーリーアーティスト」のお仕事を徹底解説

フォーリーアーティスト 仕事 徹底解説

表舞台に立たない俳優。

映画の中で演技をしている人といえば、まっさきに思い浮かべるのは俳優ですが、実は俳優同様、時に俳優以上に演技をしている人たちがいるのです。それが音の魔術師、フォーリーアーティスト

今日は、重要なのにあまり注目されない映画の音作りを支えるアーティストたちの仕事に迫ります。

こちらはAcademy Originalsによる動画。

フォーリーアーティストとは、すでに収録されている映像に合わせて、あらゆる物を使って最も適した音をクリエイトする人たちのこと。

彼らの職場はフォーリーブースと呼ばれており、様々な床材や敷かれ、あらゆる道具が収められているのが一般的。音を発するタイミングなどが書かれた指示書とともに、まとまった尺の映像が渡されますが、必要な音が画面上に現れない場合などは、音を発するタイミングにバーが表示される工夫がされているそうです。

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音ゲーみたい

頻繁に作る音は俳優の足音で、男性の足音を女性が担当することも珍しくなく、フォーリーアーティストは呼吸をコントロールすることを強いられるのだとか。確かに、男性の足音なのに女性の息遣いが聞こえるのはおかしな話ですよね。

足音用に靴を50足ほど揃えており、俳優に合わせて使い分けるそうです。監督が具体的に音を思い描いている場合もあり、映画「ジャンゴ 繋がれざるもの」ではクリアな足音を欲しがったタランティーノ監督のために1800年代の拍車を使ったなんてエピソードも。

一言で音作りといっても、単に音を機械的に出せばいいのではありません。彼らは画面上の俳優の演技から感情を読みとり、その役になりきって音で演技しているのです。

意外なようですが、彼らの仕事は危険がつきもの火傷や裂傷、野球バットで膝を打ち付けるといった重傷を負うこともあるのだとか。

動画にはザック・シュナイダー監督の映画「マン・オブ・スティール」でゾッド将軍が追放されるシーンの音作りの様子が登場しますが、彼らが樹脂のような液体に覆い尽くされる音は、勢いよく出した水割れたガラスをかき混ぜる音板の上で何かを擦り合わせた音、そして自身の声がベースになっているようです。

こういったアーティストが出した音をバランスよくミックスするのがフォーリーミキサーです。ミキサーは単純に音を組み合わせるのではなく、プラグインや音響機器を使って音の効果を最大限に高めるのが仕事。こういった人たちの働きがあって、映画を自然に、そして格好よくする音が生み出されるのです。

いかがだったでしょうか。次に映画を観るときは、音にも注目してみると新たな発見ができるかもしれません。

source: Youtube

中川真知子