ピクサーが「音楽」で観客を泣かせる方法

ピクサー 音楽 泣かせる 方法

涙腺崩壊注意。

ピクサーの映画が感動的で感涙モノというのは周知の事実。しかし、そこにストーリーだけでなく、巧みな音楽の使い方が関係しているとご存知でしたか?

今日は、「ピクサーが『音楽』で観客を泣かせる方法」をご覧いただきます。

こちらはSidewaysがピクサーの人泣かせな音楽について考察した動画です。

単に、悲しいシーンにマイナーコードの悲しげな音楽を被せれば、観客の涙腺を刺激するシーンが完成するわけではありません。大事なのは、音楽にテーマを持たせ、ここぞというシーンにその音楽をかけて今までの流れを彷彿させること。

一般的に、マイナーコードは悲しく、メジャーコードは愉快な印象を与えると考えられています。低く重厚感のある音は大きいもの、高く甲高い音は小さいものをイメージさせるように。しかし、メディア音楽において、それは必ずしも当てはまることはありません。

ピクサーの映画「カールじいさんの空飛ぶ家」は、冒頭のカール爺さんが幼馴染と結婚し、仲睦まじい生活を送るものの先立たれてしまい1人になるまで流れもあり、泣かせ映画として有名です。では、あの映画はマイナーコード満載かといえば、それは違います

音楽を担当したマイケル・ジアッキーノ氏は、「カールじいさん」のテーマにFでもCでもない、その中間のような、少し悲しげだけれど記憶を呼び起こすようなコードを使いました。「エリーのテーマ」と呼ばれるこの曲を作品の要所で流し、観客に幾度となくふたりの歩んだ人生を回想させ、感情に訴えかけています。

Sidewaysは、この「音楽のテーマ付け」という方程式の証明として、ある実験をしています。ディズニーの戦闘医療ロボット映画「ベイマックス」で、最愛の兄タダシを失い、復讐を決意する主人公ヒロにベイマックスがタダシの映像を見せる場面を、より効果的な音楽をのせてることでさらに泣けるシーンにする試みです。

ここで使われているのは、映画「ファインディング・ニモ」で流れる家族の絆のテーマ。マーリンの妻と卵が襲われ唯一難を逃れたニモだけが残ったこと、ふたりが引き裂かれてしまったこと、マーリンが危険をおかしつつもニモ救助に向かっていること、再び一緒になれたことーーそういった全てが込められているパワフルなテーマを、タダシのシーンにのせるとどのような効果を発揮するでしょうか? 

「ベイマックス」ではタダシのセリフに重点が置かれ、BGMが重要視されていなかったシーンですが、一気にふたりの兄弟愛を思い起こさせる感動的な場面に変化しました。

では、「ファインディング・ニモ」は「ベイマックス」より優れたサウンドトラックだったのかといえば、そうとは言えません。大切なのは音楽の使い方、意味の持たせ方に他ならないのです。

ピクサー カールじいさん

Casey Chan - Gizmodo Sploid[原文

中川真知子