もたらすのは恐怖にあらず。「ジョーズ」でおなじみのサメが復活の兆し

もたらすのは恐怖にあらず。「ジョーズ」でおなじみのサメが復活の兆し

海のギャングから、掃除屋さんに転職します。

映画「ジョーズ」の殺人ザメとして有名になったホホジロザメの数が回復しているようですが、怖がる必要はなさそうですよ。

8月3日、アメリカのケープコッド半島沖に、仰向けで浮いているミンククジラの死骸が発見されました。次の日も同じ場所にありましたが…すでに認識できないほど食い散らかされていました。舌、内臓、骨格筋のほとんどが引きちぎられ、Center for Coastal Studiesによると「脊柱と頭蓋骨程度」しか残っていない状態でした。

こちらはCoastalStudiesPtownによる、ホホジロザメと食べられた後のミンククジラの動画。ミンククジラの残骸が生々しいので注意

Center for Coastal Studiesによれば、少なくとも2頭のホホジロザメがミンククジラの死骸を食べていたようです。身勝手な人間により映画では悪者にされてきた海の捕食者ですが、復活の兆しとして喜ぶべきことです。

「彼らはこの岬みたいな場所に集まっているんだ。好きな食べ物がたくさんあるからね」とニューイングランド大学ポートランド・キャンパスで海洋科学の教授であるJames SulikowskiはThe Guardianに語っています。「死骸は苦労して探さなくてもすむ、彼らの食料源さ」とのこと。

殺人ザメの登場する映画のせいで「ホホジロザメは危険なモンスター」というイメージが定着していますが、彼らの主食は病気をしていたり、死にかけていたり、もしくはすでに死んだ生物です。サメが食べることが海の生態バランスの維持につながっています。

漁業規制が厳しくなったことでハイイロアザラシの数が回復し、ホホジロザメもニューイングランド(ケープコッドのあるマサチューセッツ州を含む米北東部の6州の総称)の海に戻ってきました。PLOS Oneで2014年に発表された研究では、「様々な保護策が実施された1990年代から(ホホジロザメの)個体数の明らな増加」が報告されています。冒頭のミンククジラの死骸を食べた報告や、今年初夏の複数回の目撃例(実際にホホジロザメだったかは確認できていませんが)もホホジロザメの個体数の増加を裏づけているようです。

もちろん数匹のおなかをすかせたサメが見つかったからって、ホホジロザメの全体数が増えたということには繋がりません。長い目で見ないとわからないでしょう。最近は新たな科学的ツールや市民モニタリングプログラムのおかげでホホジロザメを追跡することが簡単になりました。願わくばホホジロザメが増えることに恐怖するのではなく、地球に暮らす生き物の仲間として喜んであげられるといいですね。

image by Elias Levy/Flickr

source: YouTube, The Guardian

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(abcxyz)