Appleのヘルスケア重視な方針がエキサイティングな理由

未来のヘルスケアを切り拓けるか?

パーソナルヘルスデータを扱うスタートアップ企業、Gliimpse(グリンプス)を買収したことで、Apple(アップル)が少しだけヘルスケア企業の道を前進しました。AppleがGliimpseをどう扱うのかは不明ですが、1つアイデアがあります。自分の健康記録をiPhoneで管理できるようにしてはどうでしょう? もしかしたら命を救うかもしれません。

Gliimpeの買収自体は、出資者が元AppleエンジニアのAnil Sethiさんであることを考えれば、さほど驚くことではありません。また、この会社のモットーもAppleのパーソナルヘルスデータに対する哲学と合致しています。Gliimpseのウェブサイトを見ると、その言葉は大きな太字で書いてあります。「自分の診察記録をひとつにまとめて、自分の信頼する人々と安全に共有できたらいいのに

Gliimpseのサービスは要約すると、患者が自分で記録を追加したり、医者と共有したり、Apple Watchなどが計測した診断の助けになる情報をマネジメントしたりするシステムです。繰り返しになりますが、AppleがGliimpseのチームと技術で何をしようとしているのかはまだわかりません。ですが、彼らの企業規模、力、そしてエレガントなデザインを生み出す能力があれば、ヘルスケアの仕組みそのものに革新を呼ぶかもしれません。

診察記録は歴史的に、常に煩雑なものでした。2009年、オバマ政権はアメリカの診察記録をデジタルデータベース化するために400億ドル(約4兆円)を費やすことを決定しました。保守派はこの政策を「大惨事」と批判。とは言っても、保守派はオバマ大統領のやることはすべて大惨事だと思ってますが…。一方、ホワイトハウスはより楽観視しているようです。

しかし、すべての診察記録をオンライン化するのはまだ序の口です。もし実際に記録をデータ化したとしても、金に目がない健康関連企業は患者が自分の記録を管理するのを複雑に、そして高価にするでしょう。だって、ややこしくって金がかからなきゃ、アメリカのヘルスケアじゃないですもんね?

CareKit、そしてResearchKitはアップルのヘルスケア・イニシアチブであり、データを患者の手に渡すと約束しています。考えてみれば、自分の体と心からとれるデータなのだから、自分のものであって当然とも言えます。Gliimpseのモットーがそうであるように、Appleが人々に自分の健康記録を自由に使わせるようにするというのは、実に刺激的なアイデアです。そうすることで、新たな電子診察記録を使って金儲けをしようとする仲介人を取り除くことができるからです。

Appleが本当にその役目を買って出てくれるなら、素晴らしいことです。2014年にヘルスケアアプリを発表して以来、Appleは少しずつヘルスデータの世界に足を踏み入れてきました。しかし、殆どのプログラムは特定の病状や研究に関するものなので、一般的に広まるまでには至っていません。しかしながら今の世の中では、ヘルスケアアプリが医者と共有できる診察記録を含む医療プロフィールとして活用されるようになる基礎は既にできています。Gliimpseチームの力を借りることで、複雑で問題だらけの健康記録システムに、Appleがエレガントな解決策を提供できるようになるかもしれません。

自分自身の健康記録を持ち歩けるというのは、非常に便利になる可能性があります。慢性的な疾患があって定期的なケアが必要な場合、新しい専門家に会う度に散らばった記録を探すのは決して簡単ではありません。米GizmodoのAdam Clark Estes記者は、とある医師の診断を受けた際、特定の血液検査の結果を探すのに何カ月もかかったそう。もし検査の結果が悪かった場合、その数カ月が命取りになった可能性もあったのです。

Appleのような一企業が個人のヘルスデータの門番になることに対して、いろいろな懸念や疑問は勿論あるでしょう。例えば、ResearchKitはすでにプライバシーの問題を多く抱えています。でも、iPhoneを持ち歩いている人が、気軽に新しい医師に会って診察記録を同期できる未来は、実に素晴らしいものでしょう。

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Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文

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