「月面という究極のオフロードに耐える四駆を開発したい」Audiがいま月に挑む理由

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月面でも4輪駆動だ!

昨今、民間による宇宙開発が1つのブームになっています。その原動力はIT企業による宇宙開発への投資にあります。例えば、Googleがスポンサードするコンテスト「Google Lunar XPRIZE」。これは民間による月面探査コンテストで、2016年末までに無人月面探査機を開発するのが目的。これまで有人、無人を含めてソ連(ロシア)、アメリカ、中国といった大国の国家プロジェクトでしか訪れることのできなかった月の大地を、民間チームが開発する月面探査機で踏みしめるのはそうたやすいことではありません。

「Google Lunar XPRIZE」は、月面に着陸し、無人探査機が月面を500m走行、そして周囲の高解像度画像を地球に送信することをゴールとしています。1つひとつの事柄がすべてチャレンジングで困難に満ちており、科学者や専門家の知識と経験が不可欠と言えるでしょう。

このコンテストには各国からチームがエントリーしていますが、ドイツからは「Part-Time Scientists」が参加、それを自動車メーカー「Audi(アウディ)」がサポートしています。

Audiが参加する理由

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無人月面探査機で必要とされる機能はさまざま。まずロケット打ち上げでは重量制限があるので、構造自体が軽量であることが求められます。加えて月面上でスタックせず確実に走行するためのフルタイム4輪駆動システム、また空気のない月面では当然ながらエンジンは使えないので電池とモーターによるEVシステム、さらに自分で障害物を判断、回避することが可能な無人運転システムなどが求められます。これは、実は今、地球上の自動車に求められている技術でもあるのです。

その技術を持つAudiが、設計から試作テスト品質チェックなどでPart-Time Scientistsをサポートし、月面4輪駆動車「ルナ クワトロ」を鋭意開発中なのです。

Audiの技術が反映された「ルナ クワトロ」とは

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月面の地表は荒れており、生半可な駆動方法じゃ太刀打ちできません。もちろん道が整備されてるわけではなく、砂はサラサラ、岩はゴロゴロ。パンクしたりスタックしたりしても、レスキューは呼べません。ソ連が投入したローバー「ルノホート」は8輪ですが、これもスタックをさせないための工夫でした。NASAが投入した有人月面車「ルナ・ビーグル」は4輪駆動で月面をトータル36kmも走行したそうです。

では「ルナ クワトロ」は、いったいどんな月面探査車なのでしょうか? Audiに聞いてみました。

「ルナ クワトロ」のベースとなる、Part-Time Scientistsチームの月面探査車は、大部分がアルミ製で、可変式ソーラーパネルが太陽光を取り込んでリチウムイオンバッテリーを充電し、ここから4つの電気ホイールハブモーターに電力を供給する仕組みです。

車両のフロントヘッドには2つの立体カメラと、物質を詳細に観察するためのカメラが取り付けられています。

理論上の最高速度は時速3.6km。険しい月面でのオフロード性能と、安全に走行ができる性能を兼ね備えています。

Audiが「Google Lunar XPRIZE」に参加する理由

ラリーの世界に初めて4輪駆動を持ち込み、その後の流れを作ったAudiですから、駆動制御技術には一日の長があります。なので、4輪駆動システムをはじめ、さまざまな技術で月面探査車をサポートすることができますが、「Google Lunar XPRIZE」に参加する理由は一体なんだったのでしょうか?

それは、Audiが創業時から「レースは技術の実験室」というスローガンのもと、過酷な環境でのクルマ作りに挑戦し、軽量構造、ハイパフォーマンス、高効率、信頼性、安全性に関するノウハウを蓄積してきたこととも関係していそうです。

「Google Lunar XPRIZE」もコンテストとはいえ、1つの「レース」。

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Audiの歴史はレースの歴史でもあります。1912年、創業者アウグスト ホルヒ自身がハンドルを握り、オーストリア・アルペンラリーへ参戦し優勝。1937年には520馬力のモンスターエンジンを搭載し、空力まで考えられた流麗なボディのType Cで人類史上初の時速400kmオーバーを達成。1980年には乗用車として初のフルタイム4輪駆動を搭載した「quattro」を発表、1981年にはワールドラリーチャンピオンシップに参戦し圧倒的な優位性を見せつけました。その後ラリーで4輪駆動が主流となったのはご存じの通り。

2006年にはル・マン24時間レースでディーゼルエンジン搭載マシンとして初優勝、2012年は同じくル・マン24時間レースでハイブリッドエンジン搭載マシンとして初優勝を飾っています。

ということで簡単にいうと、Audiは技術革新の先駆者

だから民間が参加できる月面探査レースに、Audiが参加しないはずがないでしょう。もちろん狙うは優勝です。

市販車へのフィードバック

レースで培った高い技術は、Audiの各モデルにフィードバックされています。例えば、膨大な風洞実験に裏打ちされた空力特性に優れるデザイン。先述のフルタイム4WDシステムの「quattro」もそうです。また、直噴技術によってパフォーマンスと高い燃費効率を両立したエンジン。パワーを無駄なく伝達するダブルクラッチトランスミッション「Sトロニック」などなど、いずれもレースで磨き抜かれ、市販車へとフィードバックされてきたものです。

そして現在、そのモータースポーツテイストを満喫できるのが、新たに誕生したブランド、「Audi Sport」のラインナップ。

まずはそのプロモーション映像をご覧いただきましょう。どうぞ!

えっ!?

15秒CMに慣れたわれわれには驚きの6秒という短さです。実はこのCMの短さ、時速0-100km加速がたったの3.2秒だからできるんですね。

Audi R8は知的なスポーツマン

動画ではよく見えなかったと思うので改めて紹介しましょう。こちらのモデルはAudi Sportのフラッグシップ「The all-new Audi R8」です。

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新型5.2L V10エンジンは610馬力という途方もないパワーがあるだけではなく、「シリンダーオンデマンド」という、街中などでゆっくり走るときは気筒を半分休止して排気量を実質半分に落とす機能により高出力と高効率を実現しています。刺激的でアドレナリン全開だけのスポーツカーではなく、ル・マン24時間レースのように長い時間走っていても疲れず、乗員に優しい乗り味となっているのが特徴です。

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インテリアは過度な装飾を抑え、むしろ安らぎすら覚える機能的なもの。スイッチ類の配置はもちろん、ハンドル、シートにいたるまで、ドライバーが運転に集中できる環境を用意しています。

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ハイライトは液晶ディスプレイ化されたメーターパネル「Audi バーチャルコックピット」。メーター機能とナビゲーション機能が一体化され、速度計、回転計からナビゲーション表示、オーディオ情報など、ドライバーの好みで表示をカスタマイズ可能です。

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そのほかにも、真っ暗な道路を走るル・マン24時間レースからのフィードバックとしてLEDヘッドライトを採用、さらにレーザーハイビームにより従来の2倍の距離を明るく照らすことができます。

もちろん駆動方式はパワーを最適配分する4輪駆動システム「quattro」。サスペンションは走行状況に合わせて減衰力を調整可能な「Audiマグネティックライド」により、同乗者がいる場合はコンフォートに、サーキットやワインディングロードではダイナミックに切り替えることでONとOFFの使い分けが可能。知的で上質、礼儀正しいスポーツマンという佇まい。

将来のAudiは?

レースで得られた知見を次々と市販車にフィードバックしてきたAudi。ということは当然ルナ クワトロ」で得られた技術も将来のモデルにフィードバックされるでしょう。自動運転技術や車体の軽量化、電気モビリティやフルタイム4WDシステムなど、同社の技術がさらなる高みに達しそうです。

特に最近注目なのは画像認識や人工知能の発達による自動運転システム。無人月面探査車なんてまさに自動運転の独壇場、しかも38万km離れたオフロードで、だれも助けてくれない究極の環境ですから。ワンミスが命取り。これをミスなく行えるならば安全性の向上に大きく期待できます。

また、日なたは数百度、日陰はマイナス数百度にも達する寒暖の差がもたらすシステムへの悪影響を防ぐ技術から、日本の猛暑でも超快適かつ超エコな究極のエアコンが開発されるかもしれません。

いずれにしても「世界初」、「レース」が大好きなAudiだけに、なにかやってくれるに違いありません。ぜひ技術屋のゲルマン魂を見せてほしいですね。

source: AudiAudi Sport

(野間恒毅)