ここまでするか! ストップモーション・アニメーション映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側

ここまでするか! ストップモーション・アニメーション映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側 1

よ…4500万パターン?!

製作中から大注目されていたライカの最新ストップモーション・アニメーション映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」。公開前からモーションパペット作りのドキュメント映像が次々とアップされ、その気合の入りようが伝えられてきましたが、今回はパペットモデルの裏側をお届けします。

Autodeskの情報サイトAREAが、ライカのラピッド・プロトタイプ・デパートメントにてシニア・テクニカル・ディレクター・リード・リガーを務めるマイケル・ルーバック氏が登場したSIGGRAPH 2016のAutodesk’s Vision Seriesを取り上げています。

クボの頭部は想像しているよりはるかに複雑

映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側 1

パーツがこんなに!

クボの頭部には70以上の小さなパーツが使われ、その多くがペニーよりも小さいそうです。幾つかはAutodesk Inventorを使用したコンピュータ数値制御で、また幾つかは3Dプリンターで、また幾つかは昔ながらの手法で作られました。

完成したクボの表情の数は桁外れ

映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側 2

気弱っぽいいたずら顔

ライカは常に微妙な表情を表現することに力を注いできました。2009年の映画「コラライン」では6,333パターンもの顔をプリントし、眉毛と顔でパーツを分け、20万7000パターンという膨大な数のフェイシャル・コンビネーションを可能にしました。しかし、今作ではその数をはるかにしのいでいます

クボは2万2340パターンの顔をプリントし、「コラライン」同様に眉と口で分けています。結果として、4500万パターンの表情が可能になったんです。

圧巻スケールの巨大な骨のモンスター

映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側 3

ギネス申請したら…

立って5.5m、両手を広げて7.3m超えの巨大な骨のモンスターは、ストップモーション・アニメーション史上最も大きなパペットで、アニメ制作ソフトのMAYAでモデリングしたあとに3Dプリントされて作られています。

このほか、ライカは全身のアニメーション用に1/6スケールのパペットを作っています。

ムーンビーストは透明だった

映画「クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス」のパペットモデルの裏側 4

初めて見たときムーンビーストはCGかと思った

ライカのラピッド・プロトタイピング・デパートメントで初めて全身が作られたパペットは、クボの悪役であるムーンビースト。レジンプリンターで3Dプリントされたパーツで構成されており、大部分が黒と白ですが、中には透明な部分もあったのです。

テクスチャー・マップのレッドチャンネル(RGBチャンネルのひとつ)をマテリアルが半透明になるよう設定しました。そうすることで、テクスチャーアーティストが作業をした時に、半透明が鮮明になりました。


「クボ」の表情はこれまでのアニメでは、これまで見たことがないほど細かく微妙なニュアンスを再現しており「確かに人ってこんな表情するわ!」と驚かされたほど。それもこれも表情パターンの数をみれば納得です。

ざっと紹介しましたが、この他にもAREAには、Mayaがどれほど「クボ」作りに貢献したかや、様々なMayaのマイナーツールが製作に役立ったことなどが書かれています。興味があればのぞいてみてください。

source: AREA

中川真知子