でも計画は吹っ飛ばない! Facebookが「世界中にネット提供」するために積んだ機材、SpaceXのロケット爆発で吹っ飛ぶ

でも計画は吹っ飛ばない! Facebookが「世界中にネット提供」するために積んだ機材、SpaceXのロケット爆発で吹っ飛ぶ

おおきな積荷だったものねぇ。

先日起きたSpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケット爆発事故。これによって、テック業界に革命を起こしてきた2人の有力者が、今、頭を抱えています。1人はもちろん、イーロン・マスクマーク・ザッカーバーグ

なぜ、SpaceXのロケット爆発でザッカーバーグが困っているかというと、ロケットに積まれていた荷物がその理由です。ご存知の方も多いでしょうが、Falcon 9の積荷は通信衛星Amos 6。Facebookがアフリカに無料インターネットを提供するために使用予定でした。アフリカへのネット提供は、ここ数年Facebookが大きく打ち出している、世界中へインターネットを!という計画の一端。特に、現在ネットの普及が遅れている地域がターゲットです。ある意味、地球上のみんなFacebookやろうよ計画ともいえます。

計画の正式名称はInternet.org、2013年にスタートしました。ネットアクセスがない世界の3分の2の人たちにもインターネットを届けるのがゴールです。Internet.orgは、プラットフォームFree Basics(2015年改名)上で、BabyCenterやSmartBusinessなど数種類の無料アプリやサービスを提供。このFree Basicsにアクセスするためのインターネットを提供する役目を担っていたのが、ロケット爆発で巻き添えとなったAmos 6や、FacebookのネットドローンAquilaです。

昨年4月、ザッカーバーグは「経済や社会進歩のための最もパワフルなツールの1つ」「仕事、知識、チャンスを掴む手段を与え、暴力に立ち向かう声を挙げ、健康や教育という生きるために必要なモノと人を繋ぐことができる」と、インターネットがいかに強大な力を持つかアピールしました。なんとも素晴らしい計画に聞こえますが、1歩すすんで考えれば、実はちょっと怖いところも…。2015年にWiredにて公開されたコラムでJosh Levyが指摘するように、Internet.orgを介してネットを使うということは、Facebookが世界の情報のゲートキーパーになってしまうという懸念があるからです。脅威を感じるのも当然。Facebookは大きな力を持つ民間企業である一方、運営自体は公にされていないことろが多々あります。莫大なパワーを持つ企業の一社提供インターネット、ね、怖いでしょ。

米Gizmodoも、誤解を恐れずに言うなら、Internet.orgやFree Basicsは、貧困層にいる人々の城壁に囲まれたウェブであると表現。似たようなことを懸念する声は世界中からあがっています。例えば、2015年には、インドでネット中立化問題を挙げFacebookに抗議する意見がでました。その1週間後には、エジプトでFree Basicsを禁じる動きが。それ以前にも、通信会社、セキュリティ専門家、ネット中立性支持者などで構成するグループから抗議文が公開されており、貧困層へネットを提供する形で、ネット中立性を脅かすことを正当化していると厳しい批判があがっています。なにもね、FacebookのInternet.orgに反対する人々だって、ネット未発達の国はそのままでいいなんて言っているわけではないのです。ただ、Facebookが一社で提供するよりもっといい方法はないのかと言っているわけで。

しかし、どれだけ批判の声を受けても、ザッカーバーグは諦めません。今年6月、ネットドローンAquilaのテスト飛行を実施。その他、プロジェクト遂行に必要なモノも、続々と開発、テストされています。その勢いにのっての通信衛星Amos 6。「ローズマリーがどこにでも咲くように、これでより繋がり、より多くの人が企業するチャンスがうまれる」と、期待に胸おどらせていました。

…ところが残念無念。ロケット爆発で積み込まれていたAmos 6も巻き添えに。

ザッカーバーグも、事故後に自身のFacebookで「非常に残念」とコメントしていましたが、これでプロジェクトが頓挫することはありません。プロジェクト担当者は、米Gizmodoの取材に対して「世界中をネットに繋げるというミッションにコミットし続ける」とコメント。衛星消失は確かにツラい、プロジェクトの予定も狂うでしょう。しかし、そもそもそんなことで断念するわけないのです。Facebookの世界へネットを提供するという想いは、どうやら私たちが思っているよりもずっと強いレベルのようですね。社会に必要であると強い使命感すら持っているのかもしれません。

たとえ爆発事故後にこんなツイートされたとしても、痛くも痒くもないのです。

「Facebookの衛星ぶっ飛ばしてくれてありがとう。いいね。Internet.orgは完全悪 #netneutrality」

「FacebookのInternet.orgの衛星が、SpaceXロケットの爆発に巻き込まれたのって、何かの暗示でしょ。」

諦めませんよ。批判されようが、ロケットが爆発しようが、プロジェクトは進!行!中!

image by Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

Sophie Kleeman - Gizmodo US[原文

(そうこ)