168年前に北極海で消えた船が完全な状態で発見される

168年前に北極海で消えた船が完全な状態で発見される

学者がずっと見つけられなかった沈没船。世紀の発見のきっかけは地元の人のお話。

168年前に消息を絶った北極探検船HMSテラー号が北極研究団体によって発見されました。英探検家のジョン・フランクリンが指揮していた北西航路探検船である2隻のうちのひとつです。これほど長い時間行方不明だった沈没船が見つかることになったのは、調査団の一人の話がきっかけでした。

The Guardianによると、北極研究財団がHMSテラー号を発見したのはカナダ最北端にあるヌナブト湾。「深さ24メートルの深海にひっそりとたたずむHMSテラー号を発見しました。寒さの厳しい北西航路の海の中、203年前に造られた船は完璧な状態でした」と話すのは北極研究財団のスポークスマンAdrian Schimnowskiさん。

海中映像によると船の状態はとてもよく、3つのマストは立てられたままで、ほぼすべてのハッチはしっかりと閉じられていたとのこと。ワインの瓶やテーブル、机、空になった棚などが確認できたそうです。

今回168年ぶりに発見されたHMSテラー号は、1848年大西洋からアジアへと抜ける北西航路を探す航海中に氷に行方を阻まれ身動きが取れなくなり、その場に放棄された船。フランクリン探検隊がイギリスから出発した3年後のことでした。そして129人の乗組員は全員亡くなりました。2年前、一緒に出発した姉妹船エレバス号がパークス・カナダで考古学者たちによって海の底で発見されました。現地のイヌイットの人たちの言い伝えのおかげで考古学者たちが沈没場所を特定できたそうです

HMSテラー号は考古学者たちが予想していた場所よりさらに南に96キロも離れた場所に沈んでいました。発見はイヌイットの調査団員であるSammy Kogvikさんの話がきっかけでした。彼は数年前にテラー湾の氷の中から突き出す大きな木を釣り船から見たことがあり、船のマストのように見えたと調査団に話したのです。これまで何も見つけることができなかった調査団はその話を元にテラー湾へ迂回し、消息不明だった沈没船を発見! Sammyさんお手柄すぎます。

考古学者たちは、HMSテラー号はキング・ウィリアム島とビクトリア島の間の氷にはまってしまったものと長い間推測していたのですが、発見場所はもっともっと南でした。意外な発見場所のおかげで船に何が起こったのかがわかるかもしれません。

ところでフランクリン探検隊の船は、こうして見つかりましたが、ジョン・フランクリン船長は一体どこへ行ったのかは謎のまま。イヌイットの人たちの言い伝えによると、キング・ウィリアム島のどこかに埋められているとのこと。地元の人の言い伝えがかなり鍵となっているこの発見劇。次も彼らを信じて探してみたらすぐに見つかるかも?

Source: Guardian, CBC

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(リョウコ)