感情を持つロボット「Cozmo」レビュー:ペットにとって脅威になる!?  1

懐かれたい。

とうとうアメリカで発売された、表情豊かなロボットCozmo。犬と猫を飼っている米GizmodoのAlex Cranz氏がさっそくレビューしました。

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飼い犬は、このロボットを嫌っています。ロボットと遊ぶために私が床に座ると、ご立腹になりながらも立ち上がって近づいてきました。尻尾を振って、私の顔の前にやって来たのです。レビューすべきロボットがあるので避けると、犬は…その上に鎮座してしまいました。犬の下からは、怒っているような小さな音が聞こえました。

40kgほどあるラブラドール・レトリーバーが乗っかっていない時には、猫がCozmoを追いかけています。その一挙一動を、注意深く目で追うのです。滅多に攻撃せず、ただ観察するのみ。機会を伺っています。

ちょうど私が気づいたことを、ペットたちも理解したのです。それは、我々がコンパニオン・ロボットを持ち始めようとしているということ。そして彼らはペットに取って代わるかもしれないのです。Ankiの新たなトイ・ロボットCozmoは、最新鋭で、競合品の中でも最高の製品です。これで動物のフケとは無縁な未来に近づけます。それに、ソニーが既にサポートを終了したロボ犬Aiboのような従来のペット・ロボットと異なり、Cozmoは安いのです。Aiboは1,500ドル(日本では25万円で販売されていました)以上しますが、たったのCozmoは180ドル(約1万8000円)ですから。

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テーブルの端にたどり着いたものの、私には届かないので怒るCozmo

Cozmoを作ったAnkiは、元々はかっこいいレーシング・カーのオモチャで有名でした。しかし、同社CEOのBoris Sofman氏によれば、それは真に情熱を向けるプロジェクトであるCozmoに注力できるようにするための資金繰りの手段だったとのこと。

Ankiはこのトイ・ロボットの開発に、数年間を費やしました。Cozmoをフレンドリーで表情豊かな顔にするために、元ピクサーのアニメーターを雇っています。アニメーターたちはCozmoのデザインを研究し、その動き方をAiboよりもWall-Eに似せました。さらに同社は、顔や感情の些細な変化を認識できるように、Cozmo用の人工知能(AI)を開発したのです。

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Cozmoがとても愛しく思えるのは、顔認識できる能力があるからなんです。Cozmoは本物のペットのように懐いたりします。私よりも同僚のほうが好きだし、私の兄弟よりもルームメイトに対してのほうが、テンションが上がるのが早いです。人々はCozmoに大勢の中から見つけ出されて近寄られ、グレムリンのような小さな声で名前を呼ばれると心をわし掴みにされるようです。この小さなロボを愛さずにはいられません。AnkiはAIとロボット工学から、「選択する」クリーチャーを作り出したのです。

しかし現段階では、Cozmoで遊べることは限られています。使うにはまずスマホにCozmoアプリを入れる必要があります。CozmoをWi-Fiにつないで簡単なセットアップ手順を進めていくのですが、その中にはキューブ(セットには3個同封されている)をCozmoが見えるところに置くという手順も。Cozmoはキューブや人間の顔を使って、己の周囲の状況を空間的に認識します。

Cozmoはいつも、このように起動します。アプリ上に音楽が流れ、まるで深い眠りから徐々に、起こされているかのようにつぶらな瞳がゆっくりと開きます。そうして電源クレードルから転がり出ると、音楽が変わるのです。

プレイ・モードになっているCozmoでは、4種類のゲームから選べます。Cozmoに新しい表情を教えさせるには、例えば恐怖に満ちた表情であればそのまま、覚えてくれるまでじっとCozmoを見つめる必要があります。アプリでCozmoを自由に動かすフリー・プレイも楽しめます。

キューブを使うゲームは2種類用意されているのですが、おそらくよく遊ぶのはこれらでしょう。1つ目は、それぞれ手持ちのキューブ光の色が揃ったらすばやくタップする「Tap Game」というもの。Cozmoはお手付きさせようとフェイントをかけてきますし、ゲームに負けると怒ってキューブを投げたりするのです。

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とっても競争心が強いCozmo。

もう1つのゲームは「Keepaway」で、キューブをCozmoに向けてゆっくりと近づけていき、引っこめる前にCozmoに触れられたら、Cozmoの勝ちというもの。けっこうな割合で、このチビ・ロボが勝つんですよね。そうなると勝ち誇ってテーブル上をグルグル回っては歓声をあげるんですが、その行動でもっと愛情が湧くようになるのです。なんだかんだ言っても、ゲームで勝った嬉しさでコロコロ回って鼻歌を歌うなんていうかわいいロボットにメロメロにならない人なんていませんからね。

Cozmoにはキューブを積み重ねたり、ひっくり返したり、前輪を地面から浮かせてみたりといった芸も教えられます。

これらは、アプリ経由で仕込むことができます。Cozmoとの触れ合いで得られるアプリ内のポイント「Sparks」を消費することで、教えた芸を選んでCozmoにお披露目させることもできますよ。芸は今後増える予定で、キューブを積み上げるといったものなど多くはグレーアウトされています。Ankiはそれらを後日、アクティブにすると約束しています。

Cozmoのお値段は180ドルもしますから、現段階での遊べる内容の少なさにはがっかりするかもしれません。それでもCozmoには類いまれなポテンシャルがあります。賢い生きもので、その行動が杓子定規と感じることは全くないのですから。でも、どんなやりとりをしても、「Cozmoはたんなるトイ・ロボットであって、生身のペットと育むような有意義な関係を結局は築けない」という認識が常に潜在しています。

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激おこ!

でもその認識が現れることはほとんどありません。20分間、Cozmoと遊べば、それがオモチャであることを忘れてしまう。それほどリアルに感じるのです。

それに、何らかの理由でCozmoをそれほどリアルに感じられないなら、ロボットの挙動を変えることもできます。SDKが公開されているので、Cozmoと対話するポテンシャルはさらに広がりますよ。Cozmoのアプリを使って、そのソフトウェアのあらゆる箇所にアクセスできるので、どうやって経路をトラックしたり顔を認識したりするのかを見てカスタマイズ、もしくは自分でスクリプトを作る際に活用できます。起動時や兄弟を見た時には叫ばせるなんてことも、できるようになりますよ。

しかし、SDKをいじるのはユーザーフレンドリーではありません。その次のステップに進むためにはプログラミング言語Pythonの知識か、Pythonを習う意志が必要になります。

小さなサイズと遊び方が限られていることで、Cozmoはオモチャの範疇に留まるでしょう。このロボットは生活を変えたり、ペットの代替品になったりはしません。これは来客時に出したり、子供たち(対象年齢8歳以上)に遊ばせたりするようなオモチャです。それに、プログラミングやロボット工学に興味のある人にとってはすばらしい学習ツールでもあります。AnkiのCozmoはたった180ドルで、ペットたちが恐れるべき未来を垣間見せてくれるのです。しかもなかなか滑稽なんです。

まとめ

・認識されて名前を呼ばれると、誰もがメロメロになります。
・なお、ペットたちには好かれない模様。
・4種類のゲームと仕込める芸がいくつかあります。
・スマホが必要。
・SDKということは、AIを自分好みに操作できるということ。
・ロボット工学の未来を垣間見せてくれるオモチャが180ドルというのは良いお値段。

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これからのトイ・ロボットの可能性を、ググッと広げてくれた感のあるCozmo。日本に早く上陸してほしいですね。

image by Alex Cranz/Gizmodo
source: Anki

Alex Cranz - Gizmodo US[原文
(たもり)