死すべき定めの人間と不死のエルフの愛。トールキンの100年前の作品が出版へ

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ファンタジー小説「指輪物語」の著者J・R・R・トールキンの作品が、新たに2017年に出版されるとEW.comが報じ話題を読んでいます。

タイトルは「Beren and Luthien」。1917年に「The Tale of Tinúviel」の題で執筆されてから100年の時を経て、初めて単独書籍として出版されます。描かれるのは人間のベレンと、エルフのルーシエンの恋物語です。

40年以上前に亡くなっているトールキンの新刊が読めるというだけで興奮もののニュースですが、ここでは「Beren and Luthien」という作品の位置づけについて特筆すべき3点をまとめます。

「指輪物語」との関係性

「Beren and Luthien」は完全に独立した小説ではなく、「指輪物語」「ホビットの冒険」などと同じ中つ国(ミドルアース)の6,500年ほど過去、第一紀と呼ばれる時代のお話です。第三紀である「指輪物語」の世界ではベレンとルーシエンの恋物語は歌物語「Lay of Leithian」として歌い継がれています

また、彼らは映画「ロード・オブ・ザ・リング」でも登場するアラゴルンとアルウェンの先祖であり、どちらも種族の壁を超えて愛を育む運命を共通して持っています。彼らの血のつながりは中つ国の歴史と同じく複雑なものなので、以下に簡略な家系図を用意しました(省スペースのため性別や生まれ順で左右の配置を区別していません)。

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ベレンとルーシエンから数えると、エルフのアルウェンは4世代目ですが、人間のアラゴルンは60世代以上も下の子孫です。図では省略しましたが他にも多くの親族がおり、トールキンが作り上げた歴史体系の長大さと、エルフの不死加減に驚きを禁じ得ません。

トールキン自身の恋がベースになった物語

トールキンは息子のクリストファーに、ベレンとルーシエンはトールキンとその妻エディスがモデルであることを手紙の中で明かしています。トールキン夫妻の墓に「ベレン」「ルーシエン」の文字が刻まれていることはファンの間でも有名な事実です。

新たな書籍として私達の手元に届くのは、100年の時を超えた妻への愛でもあるのです。

膨大な遺稿から編集された最新版

トールキンは、執筆した物語の全てを書籍の形に収める前に亡くなりました。トールキンの没後、その膨大な遺稿を整理、編集して出版しているのは息子のクリストファーです。

今回明らかになった「Beren and Luthien」は、トールキンの遺稿や草稿の数々を全12巻にまとめた「The History of Middle-Earth」に収録されているバージョンをベースに、他の原稿に残された要素を加えたものになるとのことです。

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イラストはもちろん、トールキン作品ではお馴染みのアラン・リーが描いています。

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トールキンが遺した壮大な物語は今もこうして多くの人から愛され、研究され、出版され続けています。全ての作品を読み尽くすことは大変ですが「Beren and Luthien」を待つ間、中つ国の歴史を少しずつ紐解く気分でじっくり物語を追うのも楽しいかもしれません。

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image by The Official Tolkien Book Shop
source: The Official Tolkien Book Shop, Wikipedia via EW.com

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