犬は肺がんのにおいを嗅ぐことができるのか(追記あり)

犬は肺がんの匂いを嗅ぐことができるのか

がんばれ、ワンちゃんたち!

犬は鋭い嗅覚で肺がんを探知することができたという実験結果が過去にあります。では、実際にクリニックにきた患者さんのにおいを嗅いで肺がんを知らせることができるのかという、シチュエーション実験がおこなわれました。

結果は...惨敗Journal of Breath Researchによると犬は鋭い嗅覚があり、においでがんを探知する能力はあるそうです。ですが、実際の現場では気が散ってしまって集中力を欠いてしまい、間違った判断をしてしまうとのこと。現場ではお医者さんでもがんを見逃すことがあるんだから、ワンちゃんを責める気にはなりませんけどね。

現場での探知はうまくいかなかったようですが、医療事情における犬の活躍は大きなものです。例えば補助犬は糖尿病の飼い主の血糖値の低下を嗅ぎつけたり、低血糖発作が起こりそうな時に警告をします。また、泌尿器がんや乳がんなどのにおいを嗅ぎ分け、早期発見につながったりなんてことも。しかし、肺がんを探知できるかどうかに関しての研究や実験は、あまりされてきませんでした。特に現場での探知という実験はこれまでなかったことが、今回の実験がおこなわれることになった背景です。

そしてこちらがその実験の詳細。

オーストリアのクレムス大学病院などが、まず122人の被験者を集めました。そのうち29人はすでに肺がんと診断されている患者さんたちです。この患者さんたちはまだ治療を受けていない状態です。そして残りの93人は肺がんの症状などは全くない人たちです。6カ月間がん探知犬として150ものサンプルでトレーニングを一生懸命受けてきた6匹の犬が今回の検知をおこないます

現場実験では、探知犬たちは患者さんの息を嗅ぎます。視覚でのバイアスを取り除くため、二重盲検法がとられました。調教師にも犬にも実験に関する情報は与えられない状態でした。その結果、実際に肺がんを患っている人のうち79%を探知することができましたが、肺がんではない人についてはたった34%しか当てることができませんでした。あまりいい結果が出なかったということです。

「探知犬たちは、がんの人もがんでない人も見分けることがうまくできませんでした。1番大きな要因は、二重盲検法で犬たちと犬の調教師にたちに多大なストレスを与えてしまったことだと私は思っています。嗅ぎ別けの練習では、成功した時にはちゃんと報酬を与えるというのがとても大事なことなんですよ」と今回の実験の共同著者のKlaus Hacknerさんは語っています。

Hacknerさんは、今回の実験はいい勉強になったと語り、いつの日か犬が肺がんを嗅ぎ分けることに希望を持っています。どんな状況下で探知させるのかが重要になってきそうですね。「これは犬が探知ができないというわけではないのです。犬はこれまでその大変鋭い嗅覚で、爆弾を見つけたり行方不明者を捜索したりしてきました。ただ分析機器と違って犬はすぐ集中力が切れてしまったり、退屈してしてしまったり、お腹がすいたりということがあります」とHancknerさん。

犬だって生き物ですから、もちろん環境によって判断のブレが出てきますよね。じゃあ犬の鼻と同じ性能を持つ機械を開発するっていう案、どうでしょう?

(追記:10/04 20:58)

文中で「二重目隠し」と表記しておりました「double-blind」ですが、正しくは「二重盲検法」でした。訳に誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。

image by Pexels

source: Journal of Breath Research, Wikipedia

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(岩田リョウコ)