ドナルド・トランプの差別発言は削除されるべきか否か、Facebook社内で大モメ

トランプの差別発言は削除すべきか否か、Facebook社内で大モメ

SNSと政治。

Wall Street Journalによりますと、米大統領候補ドナルド・トランプ氏の発言を巡ってFacebook社内が荒れています。差別的なポストなのに削除しないという決定を下したザッカーバーグCEOに不信感を持ち、退職するとまで言い出す社員もでているのだとか…。

Facebook社内問題の原因となっているトランプ氏の発言は、世界中のメディアも取り上げた「イスラム教徒はアメリカ入国禁止する」という内容のもの。トランプ氏は、スピーチだけでなくFacebook上でも同内容の投稿をしており、これがFacebookのポリシーに反するか否かというのが争点。ザッカーバーグCEOの決断は削除せずそのまま残すというものでしたが、これに反対する社員が一丸となり、退職届を切り札に戦っているというのが今の状態。

トランプ氏の差別発言が露呈したのは、昨年12月。複数のユーザーから、これはヘイトスピーチだと報告があがりました。Facebook社内でも、ヘイトコンテンツでありポリシーに反するという声があがりつつも、報告レビュー担当者はポストを残すよう命じられました。

Facebookのグローバルポリシーマネージメント担当Monika Bickert氏は、後日、選挙シーズン真っただ中であり、会社としてフェアな立場を通すためとその理由を説明。今年1月のタウンミーティングにて、イスラム系の社員がザッカーバーグ氏に削除しない理由を尋ねたところ、氏は、この発言はヘイトスピーチと捉えるが、削除するのはあまりにも大きな影響を与えると答えたということです。この説明で納得した社員もいましたが、一部の人、特にイスラム系の社員はわだかまりを抱えたままに。その結果、ポリシーについて上司と話しあう人、社内で反対派グループを作る人、またいっそのこと退社すると言い出す人がでてきてしまったのです。

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この問題に対してFacebookの担当者は、この発言の政治的価値を主張します。多くの人がこのポストについて意見を述べており、次の大統領には誰が相応しいのかを決める材料の1つになっているからです。ゆえに、問題のポスト&関連ポストはポリシーに反する可能性があるけれど、ケースバイケースで対応しているのだ、と。

理解できる説明ではあります。特に、今回はトランプ氏の発言ですからね、大統領候補という非常にデリケートで大きな問題であり、削除して終わりではすみません。1つ1つの発言が、誰に投票すべきかを考える要素になるんですもん。

ただね、まぁ、少々きな臭いこともありまして…。Wall Street Journalの記事と、Facebookが「ニュースや世間の興味に合わせて、コンテンツの自由により幅を持たせたい」とポリシーを一部変更したことをブログで発表したのは、同じ日だったんですよね。さらに、シリコンバレーの億万長者でFacebookの役員であるPeter Thiel氏がトランプ陣営に125万ドルの寄付を予定しているとニュースになったのも同じ週でした。そういえば、今年の5月には、トレンド記事操作があったなかったで問題にもなりましたねぇ。

削除しない理由もよくわかります。よくわかるんだけど、しらけた目、疑いの目で見てしまうのもわかる…。確かなのは、大統領選において、政治という大舞台において、SNSがいかに大きな力を持っているかということだけです。

image: dennizn / Shutterstock.com
source: WSJ

Sophie Kleeman - Gizmodo US[原文
(そうこ)