人間の頭蓋骨を通して作られたゲーム・ミュージックをお聞きください

人間の頭蓋骨を通して作られたゲーム・ミュージックをお聞きください 1

ゲーム・オブ・スカル。

よく自分の声を録音して聞いてみたら変な感じがすると言いますが、その原因は、発声者は気導音(空気を伝い鼓膜を震動させる伝達方法)と骨導音の合わさった音を聞いているのに対して、録音できるのは気導音だけだからというのがあります。他人の声は耳だけで聞きますが、自分の声は耳と骨で聞いているわけです。

今年発売されたPLAYDEADのPlayStation 4/Xbox One/PC向けゲーム「INSIDE」や「LIMBO」などの音響を手がけたサウンド・コンポーザーのマーティン・スティグ・アンデルセンさんは、「INSIDE」のBGMの制作時に斬新な手法を用いました。それが、頭蓋骨を通した音を録音してみようというもの。

Gamasutraによると、アンデルセンさんはシンセサイザーを用いた80年代映画のような、チープだけどもクールなサウンドが「INSEDE」の世界観に合うと判断し、BGMを制作していましたが、これがどうにも説明的でふさわしくないと感じたとのこと。そこで思いついたのが、人間の頭の中で鳴っている音、すなわち「inside your head(頭の中)」を再現するというものでした。

では頭蓋骨を経由することで音はどのように変化するのか、実際に聞き比べてみましょう。まずは頭蓋骨を経由しないプレーンなBGMがこちら。

ストレンジャーでシングスなスリラー風の不安が感じられるサウンドスケープです。一方、頭蓋骨を経由したものがこちら。

かなり変化が感じられます。低域部分が大胆かつやわらかくカットされ、中域~高域にかけては複雑な倍音がランダムに生成されているように聞こえます。ポイントによっては共鳴が強まっているせいか、かなりとがって聞こえるところも。

録音にはコンタクトマイクが使用されましたが、音がどのように反響するのかを研究しながら、マイクの種類や位置などを試していったとのことです。また、録音したままの音はあまりクオリティーが良いとは言えず、サウンドトラックとして聞けるように調整するのに苦労したとアンデルセンさんは語っています。

「INSIDE」をプレイするとき、そこで鳴っている音楽は人間の頭蓋骨から出ているんだ……と思えば、コントローラーを握る手もどことなくブルっときそうです。

image: Gamasutra
source: Gamasutra, SoundCloud1, 2

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