「PlayStation VR」特集

「PlayStation VR」ハンズオン。過渡期だが、だからこそ体験すべき 1

「まだ買わない」という選択肢もあるけど、これは買い!

VRはまだまだ過渡期の技術です。すでにGear VRやハコスコのように、スマホで手軽にVRを体験できますが、まだ万人に普及しているとは言えないです。さらに、没入感という意味では、触覚や嗅覚が足りません。そういう意味では「PlayStation VR(以下PS VR)」はVRの完成形ではないのです。

それでも、体験した今なら、VRヘッドセットの中でどれかひとつだけ買うならPS VRで決まりと言い切れます。

自分のゲーム歴は、共働きの両親に隠れてファミコン、スーパーファミコンをやり、中学からはゲームセンター通い(当時は2D格闘ゲーム全盛期)。初代プレステやニンテンドー64なども持っていましたが、ファミコンほどにはハマりませんでした(PS3もほぼtorne専用マシン…)。

そんな自分からすると、ゲーセンの大きな筐体でやるのがゲームという認識のままなのですが、「PlayStation VR」なら久しぶりに家でもゲームをやろうかと思っています。

体験してみてわかる作り込みと配慮

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スペックの比較で言えば、PS VRは「Oculus Rift」や「HTC Vive」には及びません。しかしながら、ゲームの世界は、歴史が証明しているようにハードではなく、最終的にはコンテンツが勝負。そういう意味ではいくつか遊んだPS VRのコンテンツは、作り込みや配慮が行き届いていて、これからの進化への期待を感じさせてくれました。

例えば、「バットマン:アーカム VR」では、「アドベンチャーゲームに複雑な視点移動は不要」という割り切りからか、PlayStation Moveで指した方向に瞬間移動し、その場で周囲を見渡してヒントを見つけるかたちになっています。

バットマンのように自由にかけまわりたいという欲求を満たすものではないけど、DCコミックスで本来描かれている「知性や技術を使ってゴッサムシティを守るバットマン」になりきるアドベンチャーゲームとしては満点をあげられます。

ただし、つい1時間半ちかくプレイしてしまった後は鬼のように疲れましたけど(1時間ごとに15分の休憩をとることが推奨されていますが守ったほうがよさそうです)。

また、無料配信されている「THE PLAYROOM VR」には、PS VRを装着していないひとと一緒に楽しめるコンテンツがパッケージされています。編集部員2人を相手に体験しましたが、かなり盛り上がりました。

こうしたVRヘッドセットのたぐいはそもそも家族の理解を得にくいアイテムですし、12歳以下の子どもは対象年齢外となっているのですが、子どもと一緒に楽しめるコンテンツがあるということも、家族を持つひとにとっては後押しになります。

あえての苦言と期待したいこと

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あえて言うなら、これはVRコンテンツ全体に対して訴えたいことですが、VRネイティブなコンテンツがもっと出てきてほしいということ。ギズでは「今からなら非ゲーマーもVRゲームネイティブになれる」という記事を出していますが、プレーヤーがVRネイティブになるならゲームコンテンツだってVRネイティブになってほしい。

有名なシリーズもののコンテンツをVR化する、VR対応するというのは、数字が読みやすく手を伸ばしやすいところでしょう。さらに、リアルで体験するのが難しいことをVRで体験させてくれるのをウリにするコンテンツも当然多く用意されていますが、せっかくの仮想現実を楽しめる手段を使い切っているとは言えません。どうせなら、世の中にないものを体験したいんです。

VRだからこそ生まれる新たなゲーム体験というものを真っ向から考えた、今までにないゲームタイトルが出てくることを望みたい。そういう意味では「THUMPER」は新しい風を感じました(ディスプレイでも楽しめるタイトルで、Steamでも配信されているのでPS VR独占タイトルではありませんが)。リズム・バイオレンスゲームと銘打たれたこのゲームは、緊張感を煽るサウンドにあわせてリズムよくメタリックな昆虫を操作していきます。操作そのものはシンプルながらスピード感があり、「コンテンツに没入できる」というVRの特長をよく引き出しています。

ひとつだけ買うならPS VRで決まり

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冒頭でも伝えたように、いま販売されているVRヘドセットの中でどれかひとつだけ買うならPS VRで決まりと言い切れます。まずはコンテンツの質の高さ、そしてリビングに置いておけるVRヘッドセットであること。こうした理由から、PS VRこそがVRを引っ張っていく存在になるはずです。

そして、PS VRは価格面でも優れています。PlayStation Camera同梱版で49,980円+税。競合するVRヘッドセットの半額ほどですし、Oculusの推奨スペックPCに500ドルほどのモデルが登場したとはいえ、すべてを用意するのにかかる金額も小さくて済みます。

たしかにプレイ中によく見ればピクセルを感じたり、トラッキングの精度に疑問を感じたりします。しかし、それはトータルの体験としては些細なこと。むしろ、相当注意力を散漫にしなければそこに気づかないくらい没入できます。

ファミコンソフトの粗いピクセルに想像力をのせてゲームをしていたことを思えば、PS VRの没入感に熱狂できるのは間違いありません。ゲームコンテンツを楽しむVRヘッドセットとしてはPlayStation VRをイチオシしますよ。

source: PlayStation VR

(松葉信彦)