場面転換で語る。映画の印象的なマッチカットの数々

場面転換で語る。映画の印象的なマッチカットの数々 1

ふたつの映像の境界自体に意味が出現する、映画表現の面白さと驚異に改めて気付かされます。

ビデオエッセイストのCelia Gómezさんがビジュアル・マッチカットの使用例を集めた名作映画コンピレーション動画を公開しました。マッチカットを理解する上で役立つ内容となっています。

そもそもマッチカットとは何なのでしょうか。動画冒頭にも引用されているジェニファー・ヴァン・シル著『映画表現の教科書』では、場面転換に物語要素を付加させるマッチカットの技法について以下のように記述しています。

ビジュアル・マッチカットは、あるシーンの終わりの画像を次のシーンの出だしの画像と「マッチ」させることだ。(中略)

ビジュアル・マッチカットを使って、類似性を表現することもできれば、コントラストを示すことも可能だ。これによって、たとえば、テーマ、モチベーション、時間経過などを表現することもできるだろう。

『映画表現の教科書─名シーンに学ぶ決定的テクニック100』134ページより
ジェニファー・ヴァン・シル著、吉田俊太郎訳
フィルムアート社、2012年6月、279p、ISBN 978-4-8459-1292-6

なるほどなるほど……転換した場面の前後を合わせると……。言葉では覚えたので、あとは実例を観れば完璧になるはずですね! それでは早速、古今東西の名作映画におけるマッチカット使用例を確認してみましょう。

確かにマッチしています……! 絶妙なタイミングのマッチカットによる演出に出会うと、背筋がぞくぞくしますよね。

ひとくちにビジュアル・マッチカットと言っても、制作者のアイデア次第で様々な効果を発揮していることがわかります。最近では大ヒット映画『君の名は。』や、FPSゲーム『バトルフィールド1』の1章などでもこの技法が取り入れられていました。

以下のリストは動画で取り上げられている25本の映画一覧です。また今回引用した『映画表現の教科書』では、ビジュアル・マッチカットが7つの使用意図別に解説されているだけでなく、ストーリーテリングの実用的な技法を作品例と共に理解することができます。自身の映像制作や映画鑑賞ライフをより深める、非常に参考になる一冊です。

『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク(2013)
『サイコ』アルフレド・ヒッチコック(1960)
『フリーダ』ジュリー・テイモア(2002)
『人生狂騒曲』テリー・ジョーンズ、 テリー・ギリアム(1983)
『マイノリティ・リポート』スティーヴン・スピルバーグ(2002)
『カールじいさんの空飛ぶ家』ピート・ドクター、 ボブ・ピーターソン(2009)
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』ゴア・ヴァービンスキー(2003)
『フォレスト・ガンプ/一期一会』ロバート・ゼメキス(1994)
『エド・ウッド』ティム・バートン(1994)
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』スティーヴン・スピルバーグ(1989)
『シュレック』ヴィッキー・ジェンソン、 アンドリュー・アダムソン(2001)
『メメント』クリストファー・ノーラン(2001)
『パーフェクトブルー』今敏(1998)
『さまよう魂たち』ピーター・ジャクソン(1996)
『グリース』ランダル・クレイザー(1978)
『卒業』マイク・ニコルズ(1968)
『クラッシュ』ポール・ハギス(2004)
『未知との遭遇』スティーヴン・スピルバーグ(1977)
『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』エドガー・ライト(2010)
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』ピーター・ジャクソン(2002)
『ターザン』ケヴィン・リマ、クリス・バック(1999)
『タイタニック』ジェームズ・キャメロン(1997)
『2001年宇宙の旅』スタンリー・キューブリック(1968)
『アンダルシアの犬』ルイス・ブニュエル(1929)
『シティ・オブ・ゴッド』フェルナンド・メイレレス(2002)

© 2016, Celia Gómez
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source: vimeo

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