VR空間に「手」がやってきた。「Oculus Touch」が目指す、さらなる没入

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ただのVR専用コントローラーと思ったら大間違い。

11月17日にVR業界の先駆者としておなじみOculus社の日本オフィスにて、最新のVR体験ができるプレス向けイベント「Game Day」が開催されました。「最新のVR体験」としてOculus社が用意していたのは、12月6日に発売されるOculus Rift専用のコントローラー「Oculus Touch。ギズモード・ジャパンはイベントにお邪魔して、Oculus Touchを体験してきました。

「Oculus Touch」ってなに?

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Oculus Touchは、Oculus Riftに対応するVR専用コントローラーです。Oculus Riftを使用する際に接続すれば、対応コンテンツでOculus TouchをVR空間の「手」として動かすことができるんです。

Oculus Touchの使い方はコンテンツによって変わり、そのまんま手のように使うのはもちろん、ガンコン釣り竿のようにも使えます。

他のVR専用コントローラーと何が違うの?

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VR専用コントローラーとして思い浮かべるのは、HTCのVRヘッドセットViveに付属するViveコントローラーです。Viveコントローラーと違うのは、指の動きを検知するセンサーが内蔵されているということ。そのため、VR空間でも指の動きが反映され、自分の手がそこにあるように感じます

ちなみにOculus Touchにはセンサー(Oculus Riftに同梱されているのと同じもの)が1つ同梱されており、Oculus Riftのものと合わせて計2つのセンサーを設置してプレイします。そのためViveと同じように動ける範囲は決まっており、可動範囲の限界まで近づいたらVR内でグリッド状の壁が現れます

こちらは、会場で体験したロボットの反乱に立ち向かうFPS『RoboRecall』というゲームの一幕。Oculus Touchを持ちながら手をグッパーすると、VR空間でも同じ動きが反映されます。

実際にプレイしてみると、敵のロボットを手で引き裂いたり、銃で撃ちまくったり、体全体を使う動作が多くて楽しめました。

こちらはOculus社が作った『Medium』というコンテンツ。これはViveに提供されている『TiltBrush』と似た、VR空間に絵を描いたり、オブジェクトを作るというもの。動画では、VR空間で粘土を使って、謎のオブジェクト…を制作しています。

プレイしてみると、ただオブジェクトを作るだけでなく、サイズを変えたり、掴んで動かしたりすることができ、細かい作り込みが可能でした。本格的にモデリングするような使い方も可能かもしれません。

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Oculus Touchで1つ惜しい点があるといえば、センサーの問題です。前述した通り、Oculus Touch、Ocurus Riftにそれぞれ同梱されているセンサーを2つ合わせて前面に設置してプレイします。ただそうなると、後ろにはセンサーがないということに。そのためか、いずれのゲームでもOculus Touchを見失ってしまう場面がありました。

現状のOculusは3つまでのセンサーに対応しているので、もしOculus Touchを100%で楽しみたいのなら別売りのセンサーを購入し、計3つ(2つを前方に、1つを後方に設置)のセンサーで遊んだほうがいいでしょう。

日本発! 国内デベロッパーからローンチされるゲーム

「VRは素晴らしいコンテンツがないと成立しない」と語るOculus社は、これまでもさまざまなデベロッパー、パートナー企業をサポートしてきました。

これは日本でも同じで、イベントでは12月6日に発売される「Oculus Touch」に合わせてローンチされる日本のデベロッパーによるOculus Touch対応コンテンツが紹介されました。

『Fly to KUMA MAKER』

こちらは、株式会社コロプラが製作したアクションパズルゲーム。ブロックを動かして、クマたちをゴールまで導くという内容です。こちらは元々コントローラーなしでもプレイできるものだったのですが、「自分の手でブロックを動かしたい」という声からOculus Touchに対応させたとのこと。

会場では実際にプレイできたのですが、指でつまむような操作や、クマたちに触ったりすることも可能です。ブロック遊びは子供の頃からよくやっていた人も多いと思いますが、VR空間で自分の手で遊べるというのはアクションパズルゲームとかなり相性がいいように感じました。

またこちらは、世界中のユーザーが製作したステージで遊ぶことができるとのことで、飽きることがなさそうです。

『Dig 4 Destruction』

こちらも株式会社コロプラが製作した、FPSゲーム。ブロックのようなもので作られた世界で、ブロックを破壊したり探索して見つけた武器で相手と戦うという内容。

こちらはオンライン対戦に対応しており、マッチングルームでは世界中のユーザーとコミュニケーションが取れるそうです。

『Dead Hungry』

こちらは京都のゲーム会社、有限会社キュー・ゲームスが製作したアクションゲーム。フードトラックのシェフになって、襲ってくるゾンビにハンバーガーを食わせて人間の心を取り戻させるという内容です。

こちらは実際に会場でプレイできたのですが、迫り来るゾンビに焦る焦る。しかも、でてくるゾンビが生意気なことに美味しいハンバーガーじゃないと満足しないんです。

というのも、ゾンビには満足メーターなるものが存在し、ハンバーガーを食べるごとに減っていき、0になったら人間に戻るんですが、ちゃんとしたハンバーガーを作らないと減り幅が少ないんです。

ゾンビに焦るは、焦るとちゃんとしたハンバーガーを作れないは、で完全に負のループ。ただフードトラックの中のものはほぼなんでも使うことができるので、ゾンビに投げつけたり、店内にある消火器を挟んだハンバーガーを食べさせることも可能です。職人気質の人はどハマりするかもしれません

『ENIGMA SPHERE』

こちらはゲームジャーナリストの新清士さんが設立した株式会社よむネコが製作したVR脱出ゲーム。パズルを解いていき、「球体(スフィア)」を見つけてハンマーで破壊するという内容です。

かねてから「VRは脱出ゲームにピッタリ」との想いがあり、製作が実現したとのことです。素人のユーザーテストでは、普段ゲームをやらない女性でも1時間ぶっ通しで続けるほどだったそう。20面が用意されており、2人同時プレイが可能です。

このゲームは、今年の9月に行なわれた東京ゲームショウ2016でも展示されていました。12月6日にローンチされる製品版はさらに進化しているとのことで、どんな内容になるのか楽しみです。JOYPOLISとのコラボも予定されているとのこと。

『Pro Fishing Challenge VR』

こちらは株式会社オーパスが製作したオンラインフィッシングゲーム。元々はXbox用に発売されていたゲームですが、今作はただそれをVR対応させたものではなく、「釣り」としての快適さをとことん追求したとのこと。

また、Oculus Touchだからこその、繊細な指の動きに対応しており、プレイには実際の釣りの経験も生かされるようです。ということは、実際の釣りのスキルも上がるかもしれませんね。

オンラインに対応し、月間トーナメントも開催されるとのことで、今まで想像できなかった「家で釣りをする」という体験を違和感なくできそうです。

『PLANNES』

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こちらは今年の5月にわずか3人というメンバーで設立した株式会社トリコルが製作したスポーツゲーム。無重力空間のような場所で、テニスのようなスポーツをして遊びます。

クリアしていくごとに新たなラケットを入手でき、2人対戦モードも用意されているとのこと。


今回、Oculus Touchを体験してみて感じたのは、VR空間に手があるというのは今後のVRでは必須になるのではないかということ。現在のVRは、視覚や聴覚を利用したものがほとんどです。では、その次のレベルとして考えられるもの、といえばそれは触覚

Oculus Touchは指の動きを認識するセンサーを搭載したことで、コントローラーという概念を「VR内のもうひとつの手」というものに変えました。そうすることで、まだゲームとしての使い方が多いものの、将来は医療分野や、建築、はたまた機械操作のトレーニングなど、本格的に実用される未来が来るのかもしれません。

また、2012年にOculus社を買収した巨大ソーシャルメディアFacebookは、ソーシャルVRという新たな未来を掲げています。ソーシャルVRとは、VRを使って人と人とが繋がっていくというもの。今回、発表された日本ローンチタイトルで2人プレイやオンラインでのプレイが可能なものが多かったのは、ソーシャルVRを目指すFacebook/Oculusだからこその取り組みなのではないでしょうか。

今回のイベントでOculus社は「5年、10年というスパンでVRでどのように世界を変えていこうかを考えている」と語っていました。まずはゲームとしての使い方から、この先の将来はさらなる没入、そしてコミュニケーションが可能な世界が待っているのかもしれません。

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image by Oculus
source: Oculus, 株式会社コロプラ, 有限会社キュー・ゲームス, 株式会社よむネコ, 株式会社オーパス, 株式会社トリコル, YouTube 1, 2, 3, 4, 5

(K.Yoshioka/撮影:ヨコヤマコム)