何の変哲もないプリンターに見えるけど、実は...

何の変哲もないプリンターに見えるけど、実は... 1

この一見何の変哲もないただのプリンター、実は携帯電話の基地局なんです! こちらはエンジニアでアーティストのJulian Oliverによるアートプロジェクト。『Stealth Cell Tower(ステルス・セル・タワー)』と名付けられたこのクールなプロジェクトは、監視とプライバシーに対する人々の本質へのOliverの評論ともいえます。

簡単にいえば、これはHP LaserJet 1320プリンターの中身にGSM 900基地局を入れ混んだものです。

何の変哲もないプリンターに見えるけど、実は... 2

でもただそれだけではありません。こいつは普通の携帯電話基地局のように機能し、この基地局に接続した携帯電話にSMSメッセージを送るのです。Stealth Cell Towerが送るメッセージは、まるで受け取り手の知り合いが書いたかのような内容になっているんです。でも自分から電話番号を教えていないはずなのにStealth Cell Towerが自分の番号を知っているって怖い…。

Oliverはこう説明しています。

メッセージに対して返信があると、その内容がプリントされ、被害者の固有のIMSI番号(International Mobile Subscriber Identity。GSM/W-CDMAの携帯電話利用者に割り当てられる識別番号。Wikipediaより)や他のID情報とともに送られたメッセージの内容を露わにします。時折プリンターはランダムに電話もかけ、電話に出た場合、スティービー・ワンダーの1984年の名曲『I Just Called To Say I Love You』が流れます。

選曲はいいですが、それも含めコワイですね。

何の変哲もないプリンターに見えるけど、実は... 3

このプロジェクトはOliverが2014年に始めた作品の続きで、基地局が日常的なものに化けていることに気づいたことから始まりました。例えば、木や旗ざお、電灯や壁の一部などに変装している(上手な変装ではないですが)姿などです。でもこのStealth Cell Towerはプリンターの中に完全に入り込んで外から見ても絶対わかりません。

2014年にはOliverと別のアーティスト/エンジニアによる『PRISM: Tower』という作品もありました。これは米国家安全保障局(NSA)によるスパイ技術をエミュレートしたもので、プロジェクト期間中に740の携帯電話から「偏執的で皮肉な」SMSメッセージを送る(もちろんそれらの電話番号を知ることなしに)ことに成功しています。

OliverはStealth Cell Tower上で動かしているコードをウェブサイトで公開していますが、くれぐれも悪用しないでくださいね。

テクノロジーとアート関連記事:
テクノロジストやアーティストからなるコレクティブ「Random International」
物体の形状に合わせてマッピング。東大の「ダイナミックプロジェクションマッピング」
3Dプリントで生命を吹き込む生物ロボット「Ready to Crawl」

image by Julian Oliver
source: Julian Oliver, Wikipedia

Christina Warren - Gizmodo US[原文
(abcxyz)