なぜ、保護区が増えるほど絶滅危機に? 新調査が示す、希少種を守る難しさ

なぜ、保護区が増えるほど絶滅危機に? 新調査が示す、希少種を守る難しさ

多ければいいってわけではないようです。

国立環境研究所、東京農工大学大学院、日本自然保護協会などが、「保護区の設置と植物の絶滅」の関係を調査したところ、生息範囲が狭い植物ほど保護区に含まれにくいため絶滅が起こりやすく、さらに生息範囲が狭くなる「絶滅への悪循環」に陥ることが明らかになりました。

生息範囲が狭い植物は、開発や植物の採取を国が厳しく制限した「保護区」に入る確率がどうしても低くなってしまいます。しかし当然、保護区外の方が絶滅の可能性は高くなるため、無計画に保護区を作れば作るほど、希少種が絶滅する可能性が高まってしまう、というのです。

何となく「保護区」ってたくさんあればいいのかと思っていましたが、そう簡単ではないのですね…。

環境省が定めた「愛知目標」の中に、「陸域の17%を効率的に管理された保護区にする」という項目が存在しているのですが、今回の調査により、ただ面積を増やせばよいのではないことがわかったことになります。

なぜ、保護区が増えるほど絶滅危機に? 新調査が示す、希少種を守る難しさ 1画像出典:国立環境研究所

「保護区の新設・拡大には、保全すべき生物の分布を考慮した計画的な保護区設定が不可欠」と結論づけている今回の発表。生態系といわれると、ちょっと縁遠い話と思いがちですが、これから豊かな自然を楽しむためにも、研究が進むことを応援したいですね。

環境問題と植物
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image by dr.larsbergmann via Flickr
source: 国立環境研究所, 環境省
(渡邊徹則)