Sphero社の共同創業者イアン・バースティンにインタビュー。ロボットが家族の一員になる未来とは?

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ロボットをより身近な存在に。

映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で新しく登場した、球形でコロコロと動くドロイドBB-8ですが、ロボット・トイを開発するSphero社が再現したロボットトイ「BB-8」は、映画の中からそっくりそのままでてきたかのような完成度で話題になりました。

そして今年の9月末には、SpheroのBB-8を腕の動きだけで操作するリストバンド型の新製品「フォースバンド」が発売。直感的に操作でき、フォースの力を実際に使っているような気分が味わえるスター・ウォーズの世界を追求した製品です。

今回は、そんなSpheroのBB-8、フォースバンドを開発したSphero社の共同創業者イアン・バースティンにインタビューしました。

おもちゃという枠を超えた製品を世に送り出し続けるSphero社が目指す未来、またSpheroのBB-8の誕生秘話について語ってくれました。

「フォースバンド」の操作はワンボタン、単体でも遊べる

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ーーデモ映像などをみて、フォースバンドの直感的な操作に興味を持った人は多いと思うのですが、仕組みはどうなっているのでしょうか?

イアン・バースティン(以下イアン):フォースバンドには6方向に自由に動くIMU、RGBのLEDが搭載されており、充電はUSBで行ないます。操作はワンボタンで、実際の操作時には日本語の音声や効果音が出るほか、振動でフィードバックを伝えるという作りです。SpheroのBB-8とはBlootooth Lowエナジーでつながります。IMUなどの一部の仕組みは、今までのSpheroのロボットトイで使われたテクノロジーが応用されています。

ーーフォースバンドは単体でも遊べるのでしょうか?

イアン:単体でも遊べますよ。まず、フォース・アウェアネス・モードというものがあります。身の回りにあるデジタル・ホロクロンを見つけ出し、アプリ内にコレクションするというものです。最初に、フォースバンドを専用アプリとつなげると、振動を感じます。そして腕を色々な方向に向けて、振動を一番強く感じたところで、デジタル・ホロクロン捕まえることができるんです。

その他にも、コンバット・トレーニング・モードでは、フォースバンドをライトセーバーやブラスターにみたてて遊ぶことができます。

充電はSpheroのBB-8と一緒に遊べば1時間、フォースバンド単体で遊ぶなら1日から2日近く持ちますよ。

イアンから実際にフォースバンドの使い方をレクチャーしてもらいました

私たちの大きなビジョンは、どの家庭にもロボットがいるという未来

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ーーこれまで球形ロボットトイのSpheroを中心に展開してきたSphero社ですが、なぜそれ自体がロボットではないリストバンド型デバイスを出すに至ったのでしょうか?

イアン:私たちの大きなビジョンは、どの家庭にもロボットがいるという未来です。それは30年後、もしくは50年後かもしれません。隅に隠れていて掃除するときにだけでてくるというロボットではなく、家族の一員のようなロボットがいるというヴィジョンを描いています。

ーースター・ウォーズの劇中で仲間の一員として描かれるBB-8をロボットトイ化するというのは、Sphero社のビジョンにかなりマッチしていたように感じます。

イアン:先ほど言った家の中いるロボットというのは、それぞれが独自のキャラクターを持っているという意味なんですね。そういう意味では、SpheroのBB-8の開発は、そういったキャラクターについて学び、試行錯誤し、さらにはどうやって人がロボットと関わっていくのか?を見るいい機会でもあったんです。

そんなキャラクターのあるロボットとの関わり方の1つにフォースバンドがあるんです。現在はほかの関わり方についても、いろいろと研究しているところです。いつになるかはわかりませんが、ロボットがたくさん出てきて人々がどう関わっていくのかとなったときに、Sphero社から1つの形としての関わり方を提言していきたいと思っています。

Spheroの遊び方はあなた次第

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ーー現行のSphero/SpheroのBB-8が今後も長く遊び続けられるような製品は企画されているのでしょうか?

イアン:私たちは既存の製品でも、常にアプリなどを通じて新しい機能をアップデートしています。たとえば、SpheroのBB-8に今年追加された一緒に映画を見る「Watch With Me」という機能は最初はなかったのですが、「フォースの覚醒」のDVDが発売されるときに「BB-8と一緒に見られたらいいよね」ということでアップデートしました。そういった新機能は今後も追加していく予定です。

フォースバンドを使ってOllieを動かしている様子

また、Spheroのロボットトイはプログラムができるんです。たとえば、ロボットトイのSPRKには、プログラムができる専用アプリ「SPRK Lightning Lab(iOS/Android)」というものがあります。これはSPRKだけではなくて、SpheroのBB-8でも使えるんです。エンジニアたちは、SpheroのSDK(プログラミングを使ってソフトウェアを開発するのに必要なキット)を使っていろんなプログラムを開発していますよ。

ーーでは、今後もエンジニアたちによる応用やハックによって、楽しみはふえていくのでしょうか?

イアン:そうですね。このフォースバンド自体もBlootooth LowエナジーでOllieとSPRKをつなげて動かすことができます。バスケットボールコートなどの広い場所で使ってみると、ドリフトさせたりできるので面白いですよ。

私たちとしては、SpheroのSDKを使ってどんどん楽しんでもらいたいと思っています。

SpheroのBB-8を一番本物に近づけたいと思って作ってきた

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ーーこれまでにもR2-D2をはじめ「スター・ウォーズ」のドロイドのロボット(トイ)化はありましたが、ここまで映画の中のドロイドを忠実に再現しているのはSpheroのBB-8が初めてだと思います。Sphero社の球状ロボットトイSpheroの構造がそのままBB-8になったかのような印象を受けますが、ずばり、Sphero社は「フォースの覚醒」のBB-8を作るのに協力はしたのでしょうか?

イアン:実は2014年の夏の時点で、「フォースの覚醒」に登場するBB-8の絵を見せてもらっていたんです。しかし、その時にはまだ名前や役割については知らされませんでした。

ーーどういったきっかけでBB-8の存在を知ったのでしょうか?

イアン:私たちは2010年に、スタートアップしたばかりの人たちをサポートするアクセラレータープログラム、テックスターズに参加しました。2014年にはそのテックスターズがディズニーとコラボして、ディズニーのアクセラレータープログラムを立ち上げたんです。ディズニーの傘下にあるピクサーやマーベルなどのリソースを使いながら、いろんなアイデアやテクノロジーを開発するというものです。

私たちはこのディズニーのアクセラレータープログラムにも参加し、ディズニーと知り合いました。そこからSpheroのBB-8のストーリーが始まります。

ディズニーのアクセラレータープログラムは、ディズニー社、または外部の人間によるメンターがたくさんいるんですね。私たちはその中から誰と会いたいかを決めることができ、いろんな話を聞きいて、フィードバックももらえるんです。このプログラムは4カ月の期間で行なわれました。

そして、プログラムが始まって最初の一週間でディズニーのCEOのボブ・アイガーに会うことになりました。その時に、Sphero2.0を持って行ったんです。

ーーボブと会った時はどんな話をしたんですか?

イアン:最初に自分たちの会社について話しました。でもボブは「もうそれは知ってるよ。もう見たからいいよ」と言って、iPhoneをだし「まあ、いいから見てみなさい」とフォースの覚醒のセットの写真を見せてくれたんです。するとBB-8の姿がそこにあって、彼は「君らのロボットに似てるね」と言ったんです。

ーーではそこで初めてBB-8の存在を知ったんですね。

イアン:その通りです。その時は名前やどういったドロイドなのかは明かされませんでしたけどね。そして彼が「動くBB-8を作れる?」と。というのは彼らは動くBB-8を持っていなかったんですよね。映画で使われているのはプロップなので、大道具さんが実際に動かしています。

ボブと会った日の夜、Spheroの本社から持ってきた機材を使って、CADでBB-8の頭をデザインし、3Dプリンターでプリントして、Spheroの本体に磁石をくっつけてみたんです。そしてスター・ウォーズの音楽をかけて、BB-8の頭が乗ったSphero2.0を動かしているビデオを撮って、ボブに送りました。

ーーその反応はどういったものだったんでしょうか?

イアン:ボブはプロトタイプのビデオを見て、すごく喜んでいたと聞きました。また、その後のミーティングではボブに直接プロトタイプを見せました。

当時は、BB-8自体の存在をディズニーの人たちも知らなかったんです。なので私たちはトップシークレットのプロジェクトとして、家族にも知らせず、開発に取り組んでいました。私たち(Sphero社の共同創業者のイアンとアダム・ウィルソン)はプログラムのため、4カ月間ロサンゼルスで開発を行なっていたのですが、ボルダーのオフィスの方でも残ったメンバーが開発を行なっていたんです。

ーーまさに夢のような話ですね…。では、Sphero社が今後の映画「スター・ウォーズ」シリーズでドロイドの制作に協力する予定はあるんでしょうか?

イアン:えっと…すみません、私はお答えできる立場ではありません。

***

SpheroのBB-8が誕生した背景には、私たちには想像できないようなストーリーがあったようですね。Sphero社のロボットトイがおもちゃという枠を超え、いままでにない遊び方、関わり方を提供してくれるのは、Sphero社のもつビジョンが大きく関係していることがよくわかりました。

今後Sphero社がどのようなロボットとの関わり方を提示してくれるのか目が離せません。

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《オンライン&店頭》 Apple Store / Apple Online Store、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、代官山 蔦屋書店、UNiCASE 等

《店頭》 二子玉川 蔦屋家電、東急ハンズ、ロフト、cococa 等

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source: Sphero, Wikia

(K.Yoshioka/撮影:横山浩暉)