フィットネストラッカーの時代は終わり。これからスマートウォッチはどう進化するのか?

フィットネストラッカーの時代は終わり。これからのスマートウォッチはどう変わっていくのか?

スマホのように、誰もが必要なデバイスに。

Appleの「Apple Watch」や、サムスンの「Gear」など、スマホ・タブレットに続く主要なモバイル端末に成長したスマートウォッチ。最近では、1万円台で買えるほど安価なものまであります。僕も最近スマートウォッチを使うようになったのですが、会った人によく聞かれるのがこの質問。

「スマートウォッチって、何に使ってるの?」

確かに知名度が上がり、安価になったとはいえ、まだ普段から身に着けている人は少数派。スマートウォッチにどんな用途があるのか、いまいち認識されていないことを度々実感しています。

現在のスマートウォッチはスマホと連携した機能が多く、スマホの通知を受けとったり、フィットネストラッカーとして心拍数を計測(データの管理はスマホ)するのが主な用途。なので、「それ必要?」と聞かれることもあるのですが、無くてもあまり困らないのが現状かと思います。

しかし、スマートウォッチにしかできない機能が登場すればどうでしょう? 今までは必要としていなかった人でさえも、ウェアラブルデバイスへの認識が変わるかもしれません。

そんな次世代のスマートウォッチを研究している一例として、カーネギーメロン大学のFuture Interfaces Groupがあります。このグループは、以前にも指の動きをトラッキングするスマートウォッチを開発するなど、さまざまなウェアラブルデバイスの研究を行なっています。そして、今回取り上げる同チームの研究プロジェクトは、現在の「スマホを前提としたスマートウォッチ」を根本から変えるかもしれません。

こちらはFuture Interfaces Groupが公開した、その研究を紹介する動画です。

まだ製品化には至っていないものの、既にこんな機能が出来ているなんて驚きですよね。

動画の冒頭でもあるように、このプロジェクトはスマートウォッチで人や物の動きをより詳しく認識し、今のスマートウォッチにはできない新しい機能を研究しています。

ViBand ジェスチャー例

今回は、市販のスマートウォッチの加速度計を40倍にして、1秒間で傾きなどの動きを測定する回数を飛躍的に向上させてテストしています。1秒間に測定できる回数が増えると、上のイメージのように装着している人の細かな動きの違いも正確に区別することができます。

以下は、この技術を応用して開発された機能です。

1. ジェスチャーで操作

ViBand ジェスチャー操作

以前より、マイクロソフトのモーションコントローラー「Kinect」のように、カメラでジェスチャーを認識して操作できる技術がありましたが、こちらはスマートウォットだけで操作できます。そのため障害物に影響されず、より正確に認識されます。

2. レシピ通りに料理

ViBand ハンドミキサー

人の動きだけでなく、掴んでいる物から伝わる振動も細かく測定できます。こちらの例では、ハンドミキサーの振動から混ぜている時間を計り、レシピに沿った料理作りをサポートしてくれます。

3. ギターのチューニング

ViBand チューニング

チューナーを挟む必要がなくなり、どんなタイミングでもチューニングできるようになるかもしれません。

4. おもちゃとも連動

ViBand おもちゃ

子供向けのおもちゃもスマートウォッチと連動するだけで、大人もワクワクしてしまいますよね。こちらの例では、おもちゃの銃と連携。撃ったときの振動を認識して、弾の残り数を表示してくれます。


今回の研究は、「動きを測定する技術」を突き詰めることで、スマートウォッチがどのくらい便利なデバイスになるか提案しています。「動き」の他にも、たとえばフィットネストラッカーの技術がより詳しく体の健康状態を調べられるようになれば、スマートウォッチは生活に欠かせなくなるでしょう。

そう考えるとこの研究は、単にひとつの技術にフォーカスした機能以上に、スマートウォッチの未来を垣間見させてくれました。スマートウォッチはまだまだ進化していく可能性のあるデバイスなのかもしれません。もう「それ必要?」なんて質問は、聞くまでもない時代になることでしょう…。

スマートウォッチのいま:
Apple Watchの出荷台数が7割も減、スマートウォッチ市場全体も落ち込み
スマートウォッチに革命を起こすか? 自分の腕をインターフェースにして操作できるトラッキング技術
売れないApple Watch…このままスマートウォッチは消えるとの悲観論も

image by donfiore / Shutterstock.com, Future Interfaces Group
source: Future Interfaces Group

(山本勇磨)