チベットで連続して起きた大雪崩の原因は地球温暖化。今後各地で多発する可能性も...

チベットで連続して起きた大雪崩の原因は地球温暖化。今後各地で多発する可能性も... 1

もはや予測不能の事態に!

今年7月、チベット西部のアル山脈の氷河にて、突如として信じられないほど大規模の雪崩が起き、遊牧民や羊たちが呑み込まれてしまいました。わずか数分間で、7000万トンを超える氷が崩落し、一瞬にして峡谷が埋まってしまったと伝えられています。

チベットで連続して起きた大雪崩の原因は地球温暖化。今後各地で多発する可能性も... 2

左端の撮影画像では氷雪が写っていない峡谷ですが、真ん中の画像ではその峡谷が大雪崩で埋まっているのが確認できます。そして、驚くべきことに、右端の画像では、再び今年9月に未曾有の大雪崩が発生し、すっかり周辺の地形が異なる様相を呈するようになったのがわかりますよね…。

まさかこの地方で雪崩が発生するとは予想もしなかった事態であり、しかも過去最大級の大雪崩が連続して起きたことに、専門家たちも驚きを隠せなかったそうです。そこで、中国科学院オハイオ州立大学の研究者らが、その原因を解明すべく調査に臨み、新事実が明らかになりましたよ。

どうやら雪崩が起きた現場の巨大な氷河の下には、大量のが流れ出していることを発見。とりわけ最初に7月に生じた大雪崩をコンピュータシミュレーションで解析した結果、氷河から溶け出した水が氷床を動かさない限り、あれほど大規模の氷が一瞬にして雪崩と化したりはしないとの見解が発表されています。

我々は依然として、どこからあれほど大量の水がやってきたのかを正確にはわかってはいない。とはいえ、もっとも近場の気象観測所で、これまで50年間に約1.5度の平均気温の上昇が観測されてきたことからすれば、どんどんと氷雪が溶けており、その結果として、氷河の下に水が流れ出していると結論づけることができるだろう。

同調査に臨んだ、オハイオ州立大学のLonnie Thompson氏は、このように発表しています。科学ジャーナルのJournal of Glaciologyには、7月に最初に発生した大雪崩の解析結果のみが掲載されており、9月の第2次大雪崩に関しては今後の解析が待たれる状態。とはいえ、ほぼ同じような発生原因になるだろうと考えられています。

もしこの説が事実であるならば、ほかにも同じ地域に存在する氷河が、似たような状況になっていることを意味する。非常に危険きわまりないということだ。

いまや地球温暖化が、常に雪と氷に覆われていたヒマラヤ山脈の高地にまで多大のインパクトを与えており、氷河の崩壊から大災害につながりかねないと、科学者たちは警告を発しています。これまで人類が経験したことのない、予測不能な事態なだけに、不気味でもありますよね。

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image by NASA Earth Observatory
source: Ohio State University, Journal of Glaciology

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)

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