エクスタシーが合法に? PTSD治療に役立つと実証され、2021年には実用化されるかも

エクスタシーが合法に? PTSD治療に役立つと実証され、2021年には実用化されるかも 1

あくまでも例外的な処方とはなりますが…。

麻薬や違法薬物に指定されているエクスタシーことMDMA。ところが、いま米国内では、重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患う成人男女へ、MDMAを用いた治療を試みる臨床試験が進められています。The New York Timesの報道によると、すでに臨床試験はフェーズ3の段階へ入っており、このまま本当に米国食品医薬品局(FDA)の認可が得られれば、2021年までに処方薬としてMDMAが提供される可能性も高まっているようです。

MDMAには、信頼や愛情、幸福感を高揚させるホルモンおよび神経伝達物質を、脳内で大量に分泌させる効果がある。同時に、PTSD患者を悩ませてきた、恐怖感やトラウマとなっている記憶を薄れさせる効果も期待できる。

The New York Timesでは、研究のレポートとして、MDMAの効能についてこう説明しています。

過去の臨床試験では、このような効能ゆえに、MDMAを活用した、精神科医による特殊なセラピーを実施。MDMAやLSD、マリファナなどを医療に役立てることを目指す、非営利団体のMultidisciplinary Association for Psychedelic Studies(MAPS)の後援を受け、6次におよぶフェーズ2の臨床試験において、130名のPTSD患者の治療が行なわれました。これまでほかのあらゆる治療法を試みても改善が見られなかった患者でも、MDMAによって、劇的に回復するケースが相次いでいるんだとか。

MDMAのおかげで、患者は(トラウマとなっている)出来事を別の観点から見つめ直し、再考する機会が得られる。正直に述べると、医療関係者が行なえることなど限られている。各患者は自らの内的な力治癒できるはずで、その適切な環境を作り出す助けを差し伸べているだけだ。

同臨床試験に携わった精神科のAnn Mithoefer氏は、こんなふうに語っています。MDMAによる特殊セラピーを受けたPTSD患者は、平均して症状が56%沈静化し、6割を超える患者は、もはやPTSDを患っているとはいえないレベルまで回復を遂げたそうですね。ただし、MDMAの服用をストップすると、たちまち症状が逆戻りしてしまった患者もいたみたいです。

ハイな気分にさせてくれる薬物であることに変わりはなく、常に乱用中毒の危険がつきまとうのも事実だ。長く処方するなら、脳に深刻なダメージさえ与えかねない。

ニューヨーク大学のLangone School of MedicineのCharles R. Marmar博士は、このような懸念も表明しました。PTSD患者の治療薬として期待はされるものの、合法的な処方薬としてフル活用してよいものなのか? MDMAをめぐっては、依然として危険な薬物であるイメージを薄れさせないためにも、その合法化には反対意見も根強く、まだまだ医療分野で活用されるまでに一筋縄ではいかないものがありそうですよね〜。

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image by Wikimedia
source: The New York Times, MAPS, SAGE Journals

Eve Peyser - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)