火星に巨大な氷床を発見。水量は北米最大スペリオル湖以上かも

火星に巨大な氷床を発見。水量は北米最大スペリオル湖以上かも

移住の夢に、さらなる燃料投下。

人類がいつか火星に移り住むとしたら、そこには水が必要です。一応、火星には今も流れる水がある、という発表が去年ありましたが、季節ごとにあったりなかったり…というちょっと頼りない感じです。もっとドバドバした水源が必要、と思っていたら、NASAが巨大なのを発見してくれました。そこには、北米最大の湖であるスペリオル湖を超える量の水が入っているかもしれないんです。

テキサス大学オースティン校の博士課程学生Cassie Stuurmanさん率いるチームは、火星のユートピア平原(上画像)で巨大な氷床を発見しました。彼らはNASAのマーズ・リコネッサンス・オービター(火星偵察周回機)搭載のSHARAD(地下レーダー)スキャン画像600枚を分析し、ちょうど日本と同じくらいの面積、37.5万平方kmの範囲に凍った水が蓄えられていると推定したんです。この発見は学術誌「Geophysical Research Letters」で発表されました。

火星に巨大な氷床を発見。水量は北米最大スペリオル湖以上かも 1

大量の氷の存在を示す、ユートピア平原のレーダーデータ
(Image by NASA/JPL-Caltech/Univ. of Rome/ASI/PSI)


ただし火星研究者にとって、氷の存在自体はそれほど珍しくありません。「火星上には凍った水がたくさんあります」と、Stuurmanさんは米Gizmodoへのメールで書いています。「初期の火星で形成された水の流れの跡に基づけば、我々はかつての火星には、地上全体を数百メートルの厚さで十分覆えるほど大量の液体の水があったと考えています」とのこと。その水の多くは宇宙空間に蒸発してしまったと考えられていますが、現在でも火星の極にはかなりの量が残っているんです。

ユートピア平原でもっとも驚きだったのは、岩石に対する凍った水の比率が50~85%もあったこと、そして氷と岩の関係です。ユートピア平原の氷は岩石の間に入り組んでいるのではなく、別のかたまりとして存在しており、氷床の厚さは80~170メートルほどもあります。その水量は最大1.43万立方kmと、貯水量約1.2万立方kmのスペリオル湖を超えるほどなんです。

Stuurmanさんは「氷の厚さはこの種の氷床としては過去に例がなく、気象モデルを作っていくのにも使えるかもしれない」と言っています。つまり厚い氷の層を調べれば、火星の気候変動の歴史をさかのぼって解明できるかも、ということなんです。

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凹凸の強調から氷の存在発見と分析につながったユートピア平原の画像
(Image by NASA/JPL-Caltech/Univ. of Arizona)

ユートピア平原は、いくつかの点で移住先として魅力的です。この氷床が、火星で一番住みやすいとされる赤道近くまで伸びているからです。それに平原ってことは、探査機で着陸したり移動したりもしやすいはずです。

ただこの氷は火星の表面にあるわけじゃなく、地下1〜10mに埋まっていると推定されています。それでも「この氷床はおそらく、火星上の他の氷に比べてアクセスしやすいでしょう」と、論文共著者であるテキサス大学のJack Holtさんは書いています。

Stuurmanさんは、火星のこの地域が地質的にどんな歴史をたどってきたのかも推測しており、氷床はかつて火星の軸が今以上に傾いていた氷河期の間に雪として降ったものだと考えています。こうした理解を深めることで、同じような氷床をもっと見つける手がかりとなりえます。

氷がたくさんあれば、何らかの方法温めることで、それが流れる水になり、海や川や雨として生命体を支えてくれて、いつかは地球みたいな環境ができちゃうのかもしれません。火星移住がSFから現実へ、着々と近づいてきてる感じですね〜。

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source: NASA, Geophysical Research Letters

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)

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