小惑星接近は核で迎撃、NASAなどがリアルに検討中

小惑星接近は核で迎撃、NASAなどがリアルに検討中

『アルマゲドン』は絵空事じゃなかった。

巨大小惑星が地球に衝突」ってのは、人類が滅亡する原因としてありがちですし、実際恐竜が絶滅したのも小惑星衝突が原因ではないかといわれています。でも将来的には、それは大した脅威じゃなくなるかもしれません。NASAの研究チームが、小惑星を核弾頭で粉々にできると考えているんです。『アルマゲドン』続編のストーリーが、だいたい見えてきそうです。

って、そんなSFみたいなことができるのかっていうと、地球を宇宙の脅威から守る「惑星間防衛」に携わる研究者にとっては、まっとうなアイデアのようです。Space.comによれば、アメリカ地球物理学連合の記者会見で、ロスアラモス国立研究所とNASAのゴダード宇宙飛行センターのメンバーによる研究チームは、人類が恐竜の二の舞にならないために何ができるか、見解を明かしました。対策として考えられる選択肢はふたつ。ひとつは「移動衝突機」(kinetic impactor)で彗星や小惑星をより安全な軌道に誘導すること、もうひとつは爆発物でこっぱみじんにすることです。

地球の近くには小惑星などの天体がわかっているだけで1万5000個もあり、いつかどこかの時点で、地球に対する脅威となりえます。その脅威から人類を守る方法はこれまでにも検討されていましたが、今年1月にNASAが惑星防衛調整局の設置を発表したことで、一気に現実味を帯びてきました。

この組織のミッションは、「有害となりうる」(直径30〜50mを超える)天体を地球から0.05au(太陽までの距離の20分の1)の範囲で確実に検知することで、すでにいくつかプロジェクトが進行中です。たとえば「OSIRIS-Rex」は、小惑星の岩石サンプルを地球に持ち帰るミッションで、今年9月に探査機打ち上げに成功しています。また小惑星再配置ミッション(Asteroid Redirect Mission、ARM)では、地球に近づく天体から数トン規模の岩石を採取し、トラクタービームで月の安定軌道へ移動させようとしています。

OSIRIS-RexやARMのようなミッションは、地球に近づく天体の脅威を理解するための第一歩となります。ただ、小惑星衝突が差し迫ってくるかもしれないことを考えると、それはそれで違う種類の備えが必要です。

対応にかかる時間の短縮が、非常に重要です」とゴダード宇宙飛行センターのJoseph Nuth氏は言います。彼はオールトの雲からやってきた彗星C/2013 A1は、2013年1月に発見されてから22カ月後に「火星につばをかけられるほどの距離」を通過していたことを指摘します。もし同じような天体が地球に向かっているのを発見した場合、「できることはそれほど多くありません」

Nuth氏は地球の周りに「監視宇宙船」を配備し、地球に近づく天体の脅威を目を皿のようにして警戒するビジョンを持っています。監視船が何かを見つけたら、その情報は地球で待つ「迎撃宇宙船」へと伝わるのです。

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欧州宇宙機関(ESA)の小惑星衝突ミッション。(Image: ESA–ScienceOffice.org


「監視船は小惑星の自転軸や形、軌道などを記録し、それを地球からそらす可能性を最大化すべく機能するんです」とNuth氏。そして、衝突の可能性の高い天体が検知されたら、迎撃船が1年以内に打ちあげられるのが理想的とのこと。

ロスアラモス国立研究所のCatharine Plesko氏は、小惑星の軌道修正をスーパーコンピュータでモデル化しています。同氏によれば、開発にかけられる時間があと数十年〜数百年もあるなら、移動衝突機を使う方がより穏便で、望ましいそうです。ただ、そこまで時間がないとしたら、またはやってくる小惑星がものすごく大きいとしたら、やっぱり核の出番となります。

「移動衝突機は、基本的に巨大な砲弾です」とPlesko氏。「砲弾は天体を高速で迎撃するという意味で、非常に適しています。でも非常に多くのエネルギーを必要とする場合、核爆発を選ぶべきです」。

「核は最小の質量で、最大のエネルギーを包含します」と、ロスアラモス国立研究所のRobert Weaver氏は言います。核爆発で発生するエネルギーによって小惑星の表面は蒸発し、それによって小惑星は地球と逆方向に跳ね返されます。「時間的に本当にぎりぎりなら、小惑星を完全に破壊することも可能です」。

ただし今のところ、核弾頭を宇宙船にくくりつけて飛ばすようなミッションは、NASAでも他の宇宙機関でも、許可されたことはありません。現状、そのアイデアはスーパーコンピューターと研究者の想像の中にあります。とはいえ、今年6月にHypervelocity Asteroid Mitigation Mission for Emergency Response(緊急対応用極高速小惑星緩和ミッション、HAMMER)が提案され、具体化が進んでいます。

Plesko氏もWeaver氏もNuth氏もその同僚も、小惑星の地球衝突の回避におけるさまざまな側面を検討し、HAMMERを洗練し続けています。たとえばコースをそらすためには、どんなサイズの小惑星や彗星にいくつ核兵器が必要か、といったことです。彼らにとって、まずは惑星防衛に関する本格的な議論を手遅れになる前に始めることが重要です。

ロスアラモス国立研究所のGalen Gisler氏はこう言います。「自然災害はつねに起こりえます。その中で小惑星衝突は予測でき、予防できるものなのです。」

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top image: NASA
image: ESA–ScienceOffice.org
source: NASA, Space.com, Universities Space Research Association

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)

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