サルが言葉を話せない理由は、口やのどのせい? それとも脳?

サルが言葉を話せない理由は、口やのどのせい? それとも脳?

体の構造的には、じつはしゃべれたみたい!

サルや類人猿は人間にとても近い動物で、道具だって使うし、言葉もある程度理解したり、キーボードで意思表示をしたりできます。ただ、人間の言葉を話すことはできません。これまでその理由は、口やのどの構造が話すための音を出すようにできていないからだと考えられてきました。

でも実は、言葉を話せないのは口やのどの構造のせいじゃないらしいことがわかりました。Science Dailyによれば、ウィーン大学のWilliam Tecumseh Sherman Fitch教授らの研究によると、サルの口やのどの構造は、従来思われていたよりはるかに柔軟とのこと。彼らはアカゲザルが声を出したり、ものを食べたり、顔の表情を変えたりする際の口と咽頭のX線動画を撮影し、それをコンピューターモデル化しました。

その結果、研究チームはサルの口やのどの構造からはいろいろな音を出すことが可能で、何千語という言葉を発することもできると結論付けました。証拠として、作成したコンピュータモデルの声をシミュレーションしています。ウィーン大学のサイトでは、そのモデルが「Will you marry me?」(私と結婚してくれますか?)としゃべった声が聞けます!

じゃあどうしてサルは言葉を話さないのかというと、研究チームでは、「洗練された声のコントロールを可能にする神経回路がないこと」が原因だとしています。つまり口やのどは、物理的には言葉を出せる程度に細かい動きができるんだけど、それをコントロールする脳が追いついてない、ということですね。

またFitch氏らはこの研究成果について、「基本的な音声言語の発生が、人類の進化上いつでも起こり得たことを意味する」としています。サルと人間の違いは、今まで思っていた以上に小さかったみたいです。

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image by apiguide / shutterstock.com
source: Science Daily, Universitat Wien
参考: Universitat Wien
(福田ミホ)

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