『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』レビュー。帝国を恐ろしい組織として描く原点回帰!

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』レビュー。帝国を恐ろしい組織として描く原点回帰! 1

帝国は怖いですねえ、恐ろしいですねえ。

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前を描くスピンオフであり、宇宙最強の男ドニー・イェンが出演していることでも話題の映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。

今回は本作を一足早く鑑賞してきたので感想をお届けします。ストーリーなどのネタバレは極力控えていますが、気になる方はご注意ください。

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スター・ウォーズの戦争映画的側面が強調された作品

『スター・ウォーズ』は本当にさまざまなジャンルを内包した映画シリーズで、アニメ、小説、コミックといった派生作品でそれらのジャンルの要素がピックアップされ補強されることで、奥深い銀河オペラとして成長を遂げてきました。

そしてこの『ローグ・ワン』もそんな派生作品の例に漏れず、『スター・ウォーズ』の”戦争”ものという部分をピックアップした作品となっています。『スター・ウォーズ』の一側面である、若者の成長の記録と騎士道物語はかなり抑えられ、巨悪を倒し世界に希望をもたらすために、さまざまな背景の人々が戦争に参加していくという物語になっています。

また戦争映画に欠かせない戦場のシーンは、今までの『スター・ウォーズ』とは違う映像表現も入れつつ、血は出ないけど血生臭く描かれていて、戦争映画好きとしてはたまらないものがありました。先日、本作のギャレス・エドワーズ監督がインタビューで語ってくれたリアルなスター・ウォーズとはこういうことだったのかという気がします。

特に、すでに予告編でも明らかになっていますが、地上で戦う反乱軍兵士を宇宙戦闘機部隊が支援するシーンが熱かったです。監督がインタビューで「ヘリコプター」と称していたUウィングが地上への支援をした後に兵士を降ろすシーンは、ベトナム戦争以降の戦場を彷彿とさせ、夢中になる戦争映画ファンも多いことでしょう。

また、この映画はどちらかと言えばアクション主体の戦争映画の路線であり、そうではない戦争映画にありがちな、長々とした作戦会議のシーンなどはなく、戦っていく中でどんどん新たなミッションが増えていく息つく暇のないテンポの良さも魅力です。

そしてここは個人的な好みの問題だと思いますが、登場人物が泣き言をいったり、くよくよする湿っぽい戦争ではなく、厳しい戦いの中でギリギリまで感情を抑えて大義のために命をかけていくカラッとした作りだったところにも惹かれました。

『スター・ウォーズ』の生みの親であり、戦争映画と西部劇をこよなく愛するジョージ・ルーカス監督が今作を見た後「もう幸せに死ねる」と語ったらしいという話も大いに頷ける内容です。

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原点への回帰

また『ローグ・ワン』は、時系列的な意味だけでなく、「帝国の脅威」を描くという点で『スター・ウォーズ』の原点へと回帰した作品と言えます。

『フォースの覚醒』はトリロジーで描かれたものを徹底的に取り入れて原点に立ち返った作品でしたが、『ローグ・ワン』は『新たなる希望』という原点中の原点である作品に「戦争」と「恐怖」に焦点を当てながら回帰しています。

『スター・ウォーズ』のトリロジー(エピソード4~6)を見た人にとって、帝国はジェダイの再来によって倒されるものであり、ダース・ベイダーはルークの父でありジェダイの騎士として死んだ男なわけですが、今作はそんな話の前の物語。

なので徹底して帝国とダース・ベイダーの強さと恐ろしさが描かれています。特に帝国はシスの暗黒卿がいたり、デス・スターを持っているから怖いというだけでなく、皇帝が作り上げた組織の構造が、現代のブラックな企業にも似た最悪の構造であるということが改めて強調されておりディストピア的。

そしてそんな恐ろしい帝国に対抗するジェダイがおらず、世界の大多数の人々は絶望しています。そんな中、反乱軍が世界に希望をもたらすために命をかけて戦う物語なのです。この構図は言ってしまえば『新たなる希望』のままなのですが、帝国はより恐ろしく、彼らに立ち向かう過程は一層絶望的でスリリングです。

ファンにはたまらないサプライズ&オマージュ満載だが、初スター・ウォーズでも問題なし

ここに関しては本当に何も言えませんが、ファンにはたまらないサプライズとイースターエッグに満ちた作品でもあります。

是非劇場でその衝撃を味わってほしいので詳しくは語りませんが、プレクエル(エピソード1~3)を含めた映画だけでなく、アニメや小説などの派生作品まで楽しんでいるコアなファンは特に楽しいでしょう。

ただ、それらのサプライズ要素は気が散るほどにうるさくなく、また理解できなくても物語上はまったく問題がないというのも良いところ。世界観の説明もくどくないレベルで行なわれており、この映画が『スター・ウォーズ』初体験でも問題のない作りになっていると思います。

おそらく毎年『スター・ウォーズ』シリーズを続けていくディズニー/ルーカス・フィルムはしっかり新規ファンの獲得を考えて作っているのでしょう。

そして画という面では、過去の名シーンへのオマージュもありますが、『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督らしい、巨大な物をこれでもかというくらい巨大に見せる匠の技が光っており、スター・デストロイヤーやAT-AT、そしてなによりデス・スターが本当に恐ろしく見え、かっこよくってたまりません。

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最後に

本当にいろいろなところを語りたいのですが、この映画がとりわけ素晴らしいところは何を語ってもネタバレなので、今回はその魅力の十分の一も説明できていないと思います。とにかく親しい友人や家族と一緒に見て、ご飯でも食べながら熱く語らって欲しい作品です。

そして最後に、全銀河の懸念事項だった「ドニー・イェンはちゃんと活躍するか問題」ですが、『ブレイド2』より長く出るとだけ言っておきましょう……あとはその宇宙最強っぷりを劇場で目撃するんだ!

映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は2016年12月16日全国公開。

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source: 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』, COMICBOOK

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