ザハ・ハディド死後、初の作品。英サイエンス・ミュージアムのギャラリーがオープン

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受け継がれる、ザハ・ハディドのデザイン哲学。

今年3月に亡くなった建築家のザハ・ハディド。出身国イラクで幻となった新国立競技場の初期デザインが描かれた切手が発売されたというニュースが記憶に新しいですが、英国内では彼女の死後初となるプロジェクトMathematics: The Winton Galleryが完成し、オープンました。

このギャラリーはロンドンにあるサイエンス・ミュージアムのリニューアルの一環として作られたもので、ザハの死後、イギリス国内で初めて完成したギャラリーであるだけでなく、彼女の建築事務所、ザハ・ハディド・アーキテクツが初めて手掛けた国立の常設展になるとのこと。

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ザハ・ハディド・アーキテクツいわく、「ハンドレページ社の航空機にインスパイアされ、デザインは航空業界で使われる気流の方程式によって、決められた」とのことで、天井からは1929年製のハンドレページ社Gugnuncという航空機が吊るされています。

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天井から広がる、ザハ・ハディド建築によく見られるような流線形を用いたオブジェクトは、飛行中の同航空機を囲んだであろう空気の流れを表しています。さらに陳列棚やベンチの配置、曲線的なギャラリーの形状や描かれている線も気流を表現しているとか。Dezeenによれば、「この航空機の翼の設計は先駆的な空気力学の研究に影響され、そして現実で起きる問題を解決するために数学がどのように使えるのかを示すためにギャラリーに用いられた」とのこと。

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Mathematics: The Winton Galleryはその名のとおり、私たちの生活のあらゆる面に関わる数学にまつわるものを展示しています。昔の数学技術を使った17世紀のイスラムの天体観測儀や、暗号解読機のエニグマなど、同博物館の科学、テクノロジー、エンジニアリングそして数学分野から100点以上の所蔵品が展示されています。

ザハ・ハディッド・アーキテクツによると、建築家としてのキャリアを積む前に大学で数学を学んでいたザハは生前「イラクで育っていた頃、数学は日常生活の一部でした。ペンと紙で遊ぶのと同じように数学の問題で遊んでいました。数学はお絵かきのようなものでした」と語っていたとのこと。

だからこそ、彼女の情熱であった数学と建築とが交わったギャラリーの完成を見届けられなかったことが残念でなりません。

images: Nick Guttridge
source: the Science Museum, Dezeen

(たもり)

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