ドナルド・トランプ恐怖で自粛された環境系会議、アル・ゴア元副大統領が復活させる

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ドナルド・トランプ恐怖で自粛された環境系会議、アル・ゴア元副大統領が復活させる 1

政府がやらないなら俺らがやっちゃうよと。

映画『不都合な真実』で知られるアル・ゴア元副大統領が米国公衆衛生協会などと協力し、気候変動に関するイベント「Climate and Health Meeting」を2月に米国で開くことを発表しました。…ってこれだけだとふーんって感じだと思いますが、このイベントの意義はその内容もさることながら、それが開催されることになった経緯にあります。

The Vergeによればこのイベント、元々は米国疾病予防管理センター(CDC)が予定していたものの、ひっそり中止されていたことが最近の報道で明らかになっていたんです。その背景についてCDC自体は「日程を再調整する選択肢を模索しつつ、2017年度の予算の優先順位を検討している」と説明しています。でも研究者コミュニティーの間では、ドナルド・トランプ政権の顔色をうかがってイベントを自粛したのだろうという見方が広がっています。

トランプ氏は大統領候補のときから気候変動が存在するという考え方そのものに対し否定的で、環境保護庁長官には気候変動が人間の活動によるものだとする考え方に反対する人物を指名しています。環境保護庁には助成金や契約を凍結するよう司令が下っていて、予算も人員も大幅にカットされるのではないかと言われています。

またトランプ氏は、政府機関のTwitterアカウントが彼の就任式で閑古鳥が鳴いてるのをRTしただけでツイート停止を命令(その後謝罪とともに復活しましたが)してしまうような大統領です。そんな中で、自粛ムードが漂っても不思議じゃありません。

でも、ゴア氏や環境の専門家たちは、映画『不都合な真実』にあったように気候変動への対応は待ったなしだと考えて、CDCがやらないなら俺らがやるよと手を挙げたわけです。とはいえ、もともと2月16日から3日間を予定していたイベントと同じ規模での開催はできなかったのですが、2月16日に関連分野の人たちが集まれる場はとにかく確保しました。

このイベントのポイントは、気候変動健康や医療を直接結びつくテーマとしているところにあります。プレスリリースにはこのようにあります。

現在私たちは困難な政治的気候に直面していますが、気候が政治問題になってはいけません。医療の専門家たちは、社会を守るために最善の科学を緊急に必要としています。彼らの日々の仕事にとって、気象科学はますます重要な意味を持っています。これから気温の高い日がさらに増えていくことで、ジカウイルスや健康に対する他の脅威がさらに蔓延していくと考えられ、ムダにできる時間はありません。

たしかに気候変動は「遠くの島の生態系が破壊されて大変だ」みたいな話ではなく、実際米国フロリダ州でもジカ熱を媒介する蚊が広がっていたりして、身近な健康問題に直結しています。CDCはバラク・オバマ元大統領の政権下で、各地の州や市と連携して、熱波や環境汚染といった気候変動と関連する健康問題に取り組み始めたところでした。

トランプ政権の科学的コンセンサスを無視した姿勢には、環境保護主義者だけでなくサイエンティスト全体が危機感を募らせていて、科学者による意思表示活動「March for Science」も近々首都ワシントンD.C.で開かれます。

一方トランプ政権は、メキシコとの間の壁建設費用をどう調達するかの算段に躍起になっています。こういうの本当に、あと4年間も続いてくんでしょうか…。

科学者も反トランプで行進! Women's Marchの次は「March for Science」

image: stocklight / Shutterstock, Inc.
source: Climate Reality Project, The Verge, Slate, The New York Times, The Washington Post, TIME

(福田ミホ)

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