中国、「ボールペンのボールも作れない国」から脱却か?

中国、「ボールペンのボールも作れない国」から脱却か? 1

精密技術が進化。

今、中国は国をあげて技術力向上に励んでいます。月にロケットを飛ばしたり、無数のスマートフォンを作ったり、自動運転車もちょっとあぶなっかしいとこもありますが、とにかく、がんばっています。それでも今まで、ごくシンプルでありふれているのに、ちゃんと作れずにいたものがありました。それはボールペンの先の、小さなボールです。

BBCによれば、中国の李克強首相は1年ほど前、「中国ではボールペンのボールも作れない」と国営放送で嘆いていました。ボールペンって100円ショップで10本パックとかで売ってたりするし、精密機械として意識されることはほとんどありません。でもじつは、あの小さなボールをちゃんと作るには非常に硬くて薄い鉄板が必要で高度な技術を要するため、その多くはドイツやスイス、日本で作られているそうです。

中国産のボールを使ったボールペンもなくはないようですが、その使い心地について李首相は「粗悪」だと言っていました。たしかに、どこで作ったものかはわかりませんが、イベントのお土産とかでもらうボールペンって、イマイチなやつもありますね。

でもこの1月、中国の人民日報は、国営の太原鋼鉄(集団)有限公司が5年間の研究の末、ボールペンのボールの開発に成功したことを伝えました。ちなみに太原鋼鉄(集団)有限公司は文房具メーカーじゃなくて、鉄鋼メーカーです。

中国は精錬前の鉄鋼の生産量では世界最高ですが、それでも精密機械に使うような上質な鉄は自前で作れなかったので、輸入に頼ってきました。スマートフォンの中の高度なパーツを国内で作れないのと同じような感じですね。

BBCによれば、中国に3,000あるボールペンメーカーは、ボールを輸入するために業界全体で毎年1億2000万元(約20億円)のコストをかけてきたそうです。でも今回開発されたボールがちゃんと使えることが確認できたら、これから2年間で徐々に輸入の割合を下げ、最終的にはゼロにすることを目指しています。

…って、ボールペン市場だけで見ると、世の中的には大したインパクトじゃないように見えるかもしれません。でも上にも書いたように、ボールペンのボールを作れる技術があるってことは、鉄の精錬・加工技術が進歩したってことです。中国製はクオリティがちょっと…というイメージは、これから変わっていくのかも?

image: SNEHIT/Shutterstock.com
source: BBC, YouTube, Twitter

(福田ミホ)

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