トップ棋士を次々と破る謎のネット棋士「マスター」…正体はGoogleの人工知能AlphaGoだった

トップ棋士を次々と破る謎のネット棋士「マスター」…正体はGoogleの人工知能AlphaGoだった 1

ネット囲碁に現れた最強の棋士はあのSai、ではなく「あのAI」だった...。

2016年末に突如ネットの囲碁界に登場し、世界のトップ棋士たちを次々と打ち破った謎のプレイヤー「マスター」。61戦60勝という驚異の結果を叩き出し、一躍注目の的になりました。

漫画『ヒカルの碁』を読んだことがある人はすぐに、かつて天才棋士だった藤原佐為が現代に霊となって蘇り、主人公のヒカルとともにネット囲碁でプロ棋士を次々と負かすエピソードを思い出すのではないでしょうか。まさかあの佐為が...!? でも、その正体は昨年初めてプロ棋士に勝利したAIプログラム「 AlphaGo」の最新バージョンであるとGoogleが認めました。

AlphaGoはイギリスのAI研究所Google DeepMindが開発した囲碁プログラムで、2016年1月にトップ囲碁棋士であるイ・セドルに勝利したことでその名を世界に轟かせました。その対局後、目立った活動をしてこなかったAlphaGoでしたが、ネット囲碁という次なる舞台でその力を発揮したのです。

New Scientistによれば、AlphaGoは韓国で人気のオンライン対局サービス「タイゼム(Tygem)」(日本では「東洋囲碁」のサービス名で知られる)で、「マスター(Master)」の名を使い、持ち時間制の対局で次々にトッププレイヤーたちに勝利しました。その中には韓国のプロ棋士朴廷桓棋士や、日本で初めて七冠を達成した井山裕太棋士も含まれていたのです。なんという強さ...。

ディープマインドの創設者デミス・ハサビス氏は自身のツイッターで「マスター」がAlphaGoの最新版であることを認めています。

AlphaGoであることを隠してネットで対局させた理由は定かではありませんが、(1)他のプレイヤーたちに普段と同じように対局させ、(2)もし失敗したときはアルファ碁の最新版であることを隠せるように、さらに(3)AlphaGoに新たな局面を学ばせるためだったのかもしれません。少なくとも、名前を伏せたことのインパクトは絶大でしたね。

DeepMindはAlphaGoにどのようなアップグレードをしたのか具体的に明かしてはいませんが、今年中にまたトップ棋士を相手にした対局を予定しているようです。その際にはさらにアップグレードされたAlphaGoが人間の前に立ちはだかるでしょう。

なんとかトップ棋士たちには一矢報いてもらいたいものです。

image: ivva/Flickr
source: New Scientist, Demis Hassabis(@demishassabis), Quartz

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(Shun)

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