マーベル×Netflixのドラマ『アイアン・フィスト』ジェシカ・ヘンウィック&スタント・コーディネーターにインタビュー:「超能力のない、強い女性という点が気に入っている」

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マーベル×Netflixのカンフー・ファンタジー・ドラマ『アイアン・フィスト』。主演のフィン・ジョーンズに続き、今回は本作で美しき戦士コリーン・ウィングを演じるジェシカ・ヘンウィックと、本作のアクションを手がけるスタント・コーディネーターであるブレッド・チャンへのインタビューをお届けします。なお、こちらもニューヨークの撮影現場(2016年9月)にて行われたものです。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や『ゲーム・オブ・スローンズ』などの作品にも出演しているジェシカ・ヘンウィックがいかにして今回の役を獲得したのか、『アイアン・フィスト』ではどんなアクションが見られるのか、これまでのマーベル×Netflix作品と何が違うのかなど、たくさん語っていただきました!

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ジェシカ・ヘンウィック

――ずぶ濡れでの撮影は大変ではないでしょうか?

ジェシカ・ヘンウィック(以下、ヘンウィック):これでも今日はそれほど悪くないんです。このシーンをやるのは今日で3日目ですけど、最初の2日はウェットスーツを着ていませんでした。だから、テイクが終わるごとに暖房へ駆け寄って、ぶるぶる凍えていました。

でも、今日はウェットスーツを着ているから、ぜんぜん平気です。取材を受ける万全の態勢ができています(笑)。

――どういうきっかけで、『アイアン・フィスト』に出演することになったのでしょうか?

ヘンウィックキャスティングはとてもゆっくりであると同時に、あっという間でした。クリスマスのころに自分のオーディション映像を撮って、送ったんですが、その後なんの音沙汰もありませんでした。そのうちフィン(・ジョーンズ)がキャストされて、彼が「仕事が入った、最高だ!」とメッセンジャーで教えてくれて、私もとても喜んだんです。

その1週間後に、私のところにも連絡があって、24時間後にロサンゼルスまでオーディションに来てくれと言われました。それで飛行機へ飛び乗って、オーディションを受けにいくことになったんです。オーディションではショーランナーを含め、たくさんのプロデューサーとフィンもいました。

その後、すぐにロンドンへ舞い戻って、到着してから数時間後にジェフ・ローブから電話があったんです。「無事に帰国できたか確認したかった」と言われました。マーベル・テレビジョンのトップがどうして私に電話をかけてくるのかしら?と思いながら、「ええ、おかげさまで」って答えたら、彼が「君の人生を変えるような、ちょっとした報告がある。マーベル世界にようこそ」と続けたんです。

私はたちまち叫び声を上げました。すぐに家族に報告して、みんなでお祝いをすることにしました。時間はかかりましたけど、とてもスムーズなキャスティングだったと思います。

――どのように役作りをしたのでしょうか?

ヘンウィック:この役が決まってすぐに、ロンドンで合気道のクラスを取ることになって、その後、ニューヨークでブレット(・チャン)の指導を受けました。彼のアシスタントのヒロオ(・ミナミ)は最初の『パワーレンジャー』からスタントを手がけているベテランで、剣術の達人なんです。そうやって合気道と剣術の基礎を取り入れました。

ただ、『アイアン・フィスト』ではひとつのスタイルに固執せずに、さまざまな武術を織り交ぜて、現代的にしています。それで、キックボクシングやクラヴ・マガ(イスラエルの近接格闘術)もやることになったんです。

伝統的な日本の武術はとても静的ですが、私たちが目指していたのは、もっとワイルドなタイプのアクションだったので他の武術も取り入れています。かなり自分を追い込んで、それから5カ月のあいだで、自分の体は完全に変わりました。人生において、ここまで体が動くようになるとは思いもしなかったです

――『アイアン・フィスト』は以前から知っていたのでしょうか?

ヘンウィックコミックを知っていました。ドラマの制作発表が行われたとき、コリーン・ウィングが登場すると知って、エージェントにすぐに連絡をしました。

「近いうちにこのドラマのオーディションの連絡がきっとくるはず。『アイアン・フィスト』という名前は使わず、おそらく違う作品名での募集になるけど注意して。コリーンはこういう特徴を持ったキャラクターだから、絶対に見逃さないで」って。

そして実際は、まったく違ったタイトル名かつ募集のキャラクター名もクリスティーンという違う名前でした。でも、私のエージェントは「これって、あなたの言っていたキャラクターじゃない?」と報告してくれたんです。

その募集を見て、私は「間違いない、これは『アイアン・フィスト』だ」と100%の確信を持ちました。それで、オーディションのテープを録画したんです。だから、私はハードコアなファンと言えます。

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――コリーン・ウィングのどんなところがお好きなのでしょうか?

ヘンウィック:コリーンはトラブルを抱えた子供時代を過ごしています。幼い頃に母を亡くし、父親に育てられました。その後、日本にいる祖父母のもとで育てられ、アメリカにやってきます。だから、故郷と呼べる場所がないんです。どこでも落ち着くことができず、自分がどちらの文化に属しているのかもわかりません。

その影響もあって、コリーンにはカメレオン的な才能があり、相手に応じて自分を変えられます。彼女のそういうところが面白いんです。誰でも、上司と話すときと同僚と話すときでは態度を変えるものですよね?

コリーンの場合は、その幅がもっと広いんです。なにしろ日本人と生粋のニューヨーカーとのあいだを行き来しますからね。センセイの前では敬意をもって接しますが、たとえばダニーとはじめて会ったときなどは「あんた誰? さっさと消えて」と冷たくあしらいます。

彼女は重層的なキャラクターで、脚本家チームが深みをたっぷり与えてくれているので、演じるのがとても楽しいです。

――日本語を話す場面はあるのでしょうか?

ヘンウィック:日本語のコーチはいますが、あまり話す場面はありません。コリーンはマーシャルアーツの教室やっているので、生徒に日本語で命令するくらいです。

――『ゲーム・オブ・スローンズ』や『スター・ウォーズ フォースの覚醒』、そして『アイアン・フィスト』と、熱狂的なファンがいる作品ばかりに出演されていますが、どのような心境なのでしょうか?

ヘンウィック:それについては、よく聞かれますね。たぶん、『ハリー・ポッター』や『ロード・オブ・ザ・リング』、『スター・トレック』などに夢中になっていたことと関係があるかもしれません。とてもクールなキャリアですよね。私の過去の仕事を知っている人は、『アイアン・フィスト』に参加したことを喜んでくれています。もちろん、計画的にやっているわけじゃないんですけど。

――『アイアン・フィスト』のこれまでの撮影はいかがでしょうか?

ヘンウィック:大作は十分経験しているんですけど、今日みたいな日はとくに、自分がいかに恵まれているかを実感します。だってセントラルパークの噴水の前で、スプリンクラーで雨を降らせて撮影していますからね。スケールの大きさがとてつもないです。

このあとも通りを封鎖した撮影が行われることになっていますが、インディペンデント映画ではこんなことは絶対にできません。もちろんインディペンデント映画も大好きなので、両方の仕事をバランス良くやっていけたらいいなと思っています。

――『アイアン・フィスト』のファンの反応はいかがでしょうか?

ヘンウィック:私がキャストに加わることが発表されてからまだコンベンションには参加していないので、彼らがどういう反応を示すのかはまだわかりません。

ただ、『デアデビル』も『ジェシカ・ジョーンズ』も素晴らしいドラマでしたし、Netflixとマーベルは素晴らしい仕事をしています。ファンの想像力を刺激するドラマを作り続けていく限り、受け入れてもらえると思います。

――これまでのマーベルドラマと『アイアン・フィスト』の違いはなんだと感じているでしょうか?

ヘンウィック:これまでの作品と同様、ストリートで活躍するスーパーヒーロー物語で、街の治安を守ることが目的だという点は変わりません。ただ、ダニーはずっとニューヨークを離れていたという設定なので、『アイアン・フィスト』ではニューヨーク以外の場所もフィーチャーされています。

――ジェシカ・ジョーンズやエレクトラといった女性キャラクターとコリーンはどのように違いと思いますか?

ヘンウィック:コリーン・ウィングはほかのどのキャラクターとも違うと思います。子供のころからいろんな場所に移り住んでいるので、自分のルーツを見失っていますし、ほかのキャラクターとは心理的にも肉体的にも違う人生を歩んでいますし、あとは他のキャラクターと違って、コリーンはクレイジーじゃないですね(笑)。

彼女は良識があって、冷静で、地に足がついています。ニューヨークで生活をなんとかやりくりしようとしている、ある意味では普通の女性です。超能力もありません。人生において何をしたいのかをわかっていて、必死に努力しています。

ダニエル・ランドが登場したせいで、彼女の人生は予想もしなかった方向に進んでしまう、という展開です。超能力がないのに、強い女性という点が気に入っています。何かを浴びたりして強くなったんじゃない、純粋なタフさをコリーンは備えているんです。

――お気に入りのマーベル映画はなんでしょうか?

ヘンウィック:なんだろうなあ。うーん……。

誰も知らないようなクールな作品を挙げたいんだけど、一番のお気に入りは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ですね。あれには驚きました。原作をまったく知らなくて、ストーリーもトーンも知らなかったので、心の底から楽しみました。

――『スター・ウォーズ フォースの覚醒』で演じたジェス・テスターは、今後の『スター・ウォーズ』に登場するのでしょうか?

ヘンウィック:まるでわかりませんね。

――登場時間が短いにも関わらず、ファンの間で人気があるキャラクターですよね。

ヘンウィック:そうですね。あの映画を見た若い女の子たちにしょっちゅう話しかけられます。撮影そのものも面白かったんですけど、なによりも若い女の子たちが「女子がパイロットになれるなんて知らなかった!」と言ってくれるのがうれしいです。

あと、ジェス・テスターが『スター・ウォーズ』の拡張世界、コミックなどで活躍を続けているのもうれしいですね。続編に登場するかどうかは、今後の作品を手がける監督次第だと思います。もちろん戻りたいとは思っていますけど、スケジュールの調整が難しくなるかもしれません。私はニューヨークで撮影していて、あっちはすべてロンドンで撮影していますからね。

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ブレッド・チャン

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――一番の専門は何なのでしょうか?

ブレッド・チャン(以下、チャン):三十数年やっている空手です。でも、テコンドーもやっています。サイモン・リーの大ファンだったので(笑)。

他にもムエタイとキックボクシング、クラヴ・マガを少しやっています。ちなみに、スタントチームのアレックスはカンフー、アンソニーはクラヴ・マガ、タミコは日本の武道が専門です。みんながそれぞれ違った経験を持ち込んでいるので、『アイアン・フィスト』を見ても、単なる空手映画、あるいは単なるカンフー映画には見えないはずです。それが本作の個性だと思います。

たとえば、『デアデビル』は宙返りのシーンがたくさんありましたよね? 『アイアン・フィスト』でも宙返りのシーンがちょっとはあるんですが、かなり数はおさえています。『ルーク・ケイジ』はパンチが多い作品でした。『アイアン・フィスト』もパンチを繰り出す場面はありますが、なるべく控えています。なるべく違ったアクションを見せたいと思っていますからね。

――どのような流れで殺陣を決めていくのでしょうか?

チャン:脚本が仕上がると、Netflixやマーベルの面々と6~7回か打ち合わせをします。その後、各エピソードの監督にどういうイメージかを教えてもらい、そのイメージをもとに殺陣を作って、当日のカメラアングルも考慮しつつビデオで撮影していきます。それを監督に見てもらって、細部を詰めていく――といった流れです。

『アイアン・フィスト』に関しては、Netflixもマーベルも、地に足のついたリアルなアクションを求めていました。なので『グリーン・デスティニー』のようなスタイルは採用していませんワイヤーもほとんど使っていないですね。

――今回は、さまざまなスタイルのマーシャルアーツが採用されていると聞きました。

チャン:そうですね。それぞれのキャラクターのスタイルが決まったら、その技術を持っているスタッフを集めました。どのスタイルも、習得するのに数カ月は必要ですからね。

ジェシカ(・ヘンウィック)が一番早くて、剣術や柔道、合気道、空手など、日本流の武道を始めました。ラモーン(・フェルナンデス)に関しては、日本の武道を下敷きにしながらも、カポエイラや、南アメリカの影響を受けているんです。ジェシカに関しては1日6時間、ラモーンもかなり長い時間のトレーニングをこなしています。

――『デアデビル』以降、マーベルドラマ全体のアクションシーンへの期待が高まっている印象がありますが、プレッシャーはないのでしょうか?

チャン:たしかに大変です。ただ、いったんそれぞれのキャラクターのスタイルを作り上げると、楽になりました。新しい脚本を読んで、与えられた状況にそれぞれのキャラクターがどう反応するだろうか?と考えればいいですからね。もちろん、アクションが繰り広げられるのが建物の廊下なのか、屋根なのか、庭なのか、地下なのか、といったロケーションも大きな影響を与えます

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『アイアン・フィスト』は武術の天才がたくさん登場するシリーズということもあり、これまでのマーベル×Netflixのドラマとは違う、バリエーション豊かなアクションが見られそうで楽しみです。まだどのようなシーンが飛び出すのかはわかりませんが、素晴らしい内容になっていることに期待しましょう!

Netflixオリジナルドラマ「Marvel アイアン・フィスト」は3月17日より全世界同時配信。
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source: Netflix, YouTube

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