「5,000テラバイトの映像どうするよ…」警官ボディカメラメーカーが、AIの映像解析スタートアップを買収

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「5,000テラバイトの映像どうするよ…」警官ボディカメラメーカーが、AIの映像解析スタートアップを買収

映像を分析したい者 × AIを進化させたい者。

アメリカではオバマ政権のもと、急速に警官のボディカメラ装着が普及しました。警官による不当な暴力や銃撃といった事件を抑制する一方で、警官の行ないが正当であることを証明する証拠としても活用されています。ただし、特定の事件の証拠を見つける上では有益でも、その一方で全く意味のない動画が無限に蓄積されていくという現実もあります。

この大量の動画、より効率的な警察活動へとつながるポテンシャルを持っていながらもその膨大な情報量と分析方法の欠如から「…どうするよ、これ?」な状況になっているわけです。ましてやSF映画にあるように、動画の中から自動で指名手配犯を検知する…なんてことは夢のまた夢なのです。

しかしそんな状況も変わるかもしれません。The New York Timesによれば、現在ボディカメラのマーケットをほぼ独占しているのはAxon(アクソン)というメーカー。この企業は、スタンガンメーカーとして知られているTaser(テイザー)の一部門でもあります。

Quartzによると、そんなTaserがDextroというAIを専門とする映像解析のスタートアップ企業を買収したのです。Dextroの公式ブログではAxonと合流することで、リアルタイムに動画を分析する最初の企業になる、と宣言しています。

リアルタイムにライブストリームを分析し、映像と音と物体の動きのシグナルを統合させて、ビデオ分析に利用できる統合モデルを作る初めての会社となることを誇りに思っています。

つまり、警官が身につけているカメラから届くリアルタイム映像を、そのままAIが分析し、活用できるようにしたいと考えているわけです。

Dextroのウェブサイトのトップページでは、動画の中で動く人間や乗り物を「これは車」「これはギター」「これはスピーカー」とAIが再生中に認識していく技術のイメージが流れています。

大量の動画データの使い道に困っていたAxonにとっても、マシンラーニングによってAIをさらに進化させたいと考えていたDextroにとっても、完璧なマッチングです。

警察は今、ボディカメラプログラムによる一人称視点のビデオを大量に生み出しています。そしてそのデータの大部分(5.4ペタバイト=5,530テラバイト)はAxonのシステムの中に保管されています。これほどのデータにアクセスできる研究チームは多くありません。ましてや特定の分野に特化した、高画質のデータという点では極めて例外的です。

5.4ペタバイト...研究者たちからするとヨダレがでるレベルなのでしょうね。

買収されたばかりなので、最終的にどのように応用されるのかはまだまだわかりません。それでも既にあるDextroの技術で「この人は銃を構えている」や「車と車が衝突した」という分析をリアルタイムでできるようになるのは想像できます。

その上で、警察がそういった情報をどう活用するのか...期待できるような恐ろしいようなですが、今後も注目したいと思います。

オバマ政権、全米の警官ボディカメラ装着に向け2000万ドル支出へ

image: Reuters
source: The New York Times, Quartz, Dextro - Medium
参考: Dextro

(塚本 紺)

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