ノーベル賞になった90年前のカビ、160万円で落札される

ノーベル賞になった90年前のカビ、160万円で落札される

カビが160万円!?

見間違えたんじゃないかと思った方、本当に14,617ドル(約160万円)で落札されたカビが存在するんです。オークションにて高額で落札されるのには、理由がありました。このカビ、そんじょそこらのカビではないのです。

The Washington Postによると、オークションで落札されたのは、細菌学者のアレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見したときのカビ。しかもフレミングの「最初のペニシリンを作ったカビ」と書かれたメモ付きです。そりゃサイエンスの歴史の重要なかけらを手にするわけですから、160万円でもおかしくないですね。ちなみに落札した方は名を明かしてはいないそうです。

ペニシリンというのは、アオカビから偶然発見された世界で最初の抗生物質。1928年に発見され、第二次世界大戦で多くの負傷者を感染症から救ってきました。ペニシリンを発見したフレミングは、その後ペニシリンの精製に成功したエルンスト・ボリス・チェーンとハワード・フローリーと共に1945年、ノーベル医学生理学賞を共同受賞したのです。

ペニシリンの発見というフレミングの偉業は、科学界に認められるまで長い歳月を要しました。そして、ノーベル賞を受賞したことでやっと認められると、ガラスに入ったカビを政府高官や科学者たちに配ったそうです。受け取った人たちの中にはローマ教皇であるピウス12世、ウィンストン・チャーチル、女優のマレーネ・ディートリヒなどがいました。

アレキサンダー・フレミング研究所博物館のKevin Brownさんによると、世界を変えることになったカビですが、カビを受け取った人たちすべてが喜んだわけではなかったとのこと。特に、エリザベス女王の夫であるフィリップ王子は何度かギフトとしてもらったそうですが、喜んではいなかったようです。「王子はフレミングに会うたびにカビを受け取っていました」とBrownさん。

もちろん当時、カビをプレゼントされた人たちは、まだペニシリンがそれだけ重要なものになるかというのを知らないので、ただ気持ち悪いだけというのは理解できますね。でもそのカビのおかげで8000万から2億人の命が救われて来たって考えると、やっぱりすごいカビです。

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image: PIYAPONG THONGDUMHYU / Shutterstock.com
source: The Washington Post

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(岩田リョウコ)