東京大学チームBionicMのロボット義足「Suknee」は自分で歩く #SXSW

東京大学チームBionicMのロボット義足「Suknee」

事故や病気で脚を失った人の歩行をサポートする義足。テクノロジーを活かしてより自然に歩けるものを、より多くの人に届けたいという思いで開発しているのが東京大学のチームBionicMです。

チームリーダーのXiaojun Sunさんは義足を使用していますが、この従来型の義足には不満があるのだと言います。

例えば椅子から立ち上がるとき。義足を装着した側の脚からは立ち上がる力を得ることができないため、どうしても傾いた姿勢を余儀なくされます。また階段を上るときも、義足は自分で曲がったり振り出したりすることはできないので"連れて歩く"ような歩き方になってしまいます。これによって余計な体力が消費されます。

video: BionicM

BionicMが開発している新たな義足は、ロボット義足「Suknee」です。Sukneeは内部にモーターや6軸センサーなどを搭載し、「義足の使用者が今どう歩いているのか」によって最適なアシストを加えてくれます。

東京大学チームBionicMのロボット義足「Suknee」2

左側が「Suknee」、右側が従来の義足の一例

例えば義足に上からの力がかかり、膝の傾きを検知すれば、使用者は歩行中で義足側の脚で踏ん張ったのだとわかります。するとSukneeは自らの力で脚を振り出してくれるのです。また使用者が何かにつまずいたら、転ばないようにモーターを使ってうまく制御してくれます。自律型義足と言ってもいいかもしれません。

上の動画で、Sukneeと従来型の義足の振る舞いを比較することができますが、アシストの効果は一目瞭然です。

彼らがSukneeの開発のヒントにしているのは、ロボットなんだそうです。実はチームのメンバーが所属しているのは30年以上もヒューマノイドロボットの研究開発を行なってきた東京大学の情報システム工学研究室(JSK robotics Lab)。

多くのロボットは人間と違って身体の各パーツが硬いので、歩くための機構にも壊れないよう工夫が必要です。彼らはそういった「ロボットを作るための工夫」を義足にもうまく取り入れて独自の機構を開発し、Sukneeを作り出しました。

東京大学チームBionicMのロボット義足「Suknee」3
「Suknee」の次期デザインのプロトタイプ

BionicMは、2017年のSXSW Interactive Innovation AwardsのSTUDENT INNOVATION部門で受賞。

チームメンバーは「半ズボンでも装着できる美しいデザインを目指したい」、「筋電位センサーも活用できるかもしれない」など、これからの展望を語ってくれました。そして同時により多くの人に義足を届けたいという思いから、「現状で1000万円ほどかかるロボット義足を、200万円で提供する」という目標も持っています。

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image: ギズモード・ジャパン
source: SXSW, BionicM, YouTube, JSK

(斎藤真琴)

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