クサいいかおり? ハチは花につけた足あとのニオイで仲間を区別し情報交換してるらしい

クサいいかおり? ハチは花につけた足あとのニオイで仲間を区別し情報交換してるらしい

友だちの家に入ったとたんに嗅ぐ、独特の生活臭

「あの人のにおいだ」ってなんとなくわかりますが、自分ちのにおいは鼻が慣れてしまってわからないですよね。

ところが、セイヨウオオマルハナバチというハチはちゃんと自分のにおいがわかるそうです。同種類なら、他のハチのにおいもちゃんと区別できるとのこと。そのにおいの元は…クサイ足あと働きバチは着地時に足の先端から自分のにおいフェロモン分泌していて、同じ種類のハチ同士がお互いのにおいを嗅ぎ分けながらメッセージをやりとりしているそうです。マーキングを通り越して、アナログメール交換みたいですね。

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ハチの後脚先端のトゲトゲした「跗節」からにおいが分泌される
(image: Chris Moody / Shutterstock)

2017年3月にScientific Reports誌に発表されたイギリス・ブリストル大学のRichard F. Pearce教授らの研究によれば、セイヨウオオマルハナバチは着地している時は常に足の先端の「跗節(ふせつ)」というところから炭化水素でできたワックスのような分泌物を出して、自分のにおい足あとをつけているそうです。人間でいうなら指紋のように、それぞれの個体が微妙に違うにおいなんだとか。

今回の研究では、セイヨウオオマルハナバチは同種類のハチのにおいならちゃんと嗅ぎ分けられることが証明されました。つまり、自分のにおいと、同じ巣の仲間のにおいと、まったく別の巣のハチのにおいの違いが分かるんだそうです。働きバチはそれらのにおいの足あとをたどって、より効率的花の蜜採取できるように工夫しているそうです。

もともとハチの社会的な習性はよく知られており、フェロモンを使ってコミュニケーションを取り合うことが分かっていました。それにBee Culture誌によると、ミツバチもセイヨウオオマルハナバチのように足の先端から分泌する様々なフェロモンで集団生活を統制しており、ハチの身分によって分泌されるフェロモンの数が異なるそうです。女王バチは12種類、働きバチは11種類、ドローンバチ(ハチのコロニーの中にいて、働かず、女王蜂を妊娠させる雄のハチ)はたったの1種類。

今回の研究では、Pearce教授はセイヨウオオマルハナバチの働きバチが足の先から出すにおいの足あとに注目。人工的な「花」にハチの足あとをつけて、そのにおいがハチの行動にどのように影響するかを観察しました。ある実験では、砂糖水(蜜)が入った人工花に仲間の足あとを、水(スカ)を入れた人工花にはよそ者の足あとをつけました。仲間のにおいに誘われたハチはエサにありつけますが、よそ者のにおいのところではありつけません。このようにして、仲間のにおいをたどるように訓練されたそうです。次に、すべての人工花の中身を水にすり替えて前と同じハチに実験させたところ、蜜がないにもかかわらず、仲間のにおいの足あとがついている人工花のほうが好まれたそうです。

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実験に使われた人工的な「花」とその配置

今回の研究は自然とはほど遠い環境で行われたため、ハチたちが実際この能力をどう使って蜜がたくさんある花を探しているのかはまだ分からないそう。自然界であれば、たとえば仲間のにおいの足あとがついている花は、すでに蜜を吸われているはずだから避けるのでしょうか。それとも、前に仲間が来ているからおいしい花だとみなされるのでしょうか。はたまた、別の巣からのハチの足あとは、巣からの飛距離が異なるので吸われた時間が違うとみなされ、蜜が補充されているはずだから好まれるのでしょうか。

…可能性は尽きませんが、ハチが複雑な情報をクサイ足あとによってやりとりしているらしいことは解ってきました。もし人間にもこんな能力があったら、どんなことに使うでしょうか。

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image: Tribalium / Shutterstock.com, Chris Moody / Shutterstock.com, Scientific Reports
source: Scientific Reports, LiveScience, Bee Culture
reference: 学研生物図鑑 昆虫Ⅲ, Wikipedia

(山田ちとら)

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