排気ガスで電池は充電できるのか?

排気ガスで電池は充電できるのか?

削減が進まないなら、せめて再利用できないものか…。

気候変動は私たちにとって由々しき問題です。そして私たちの車や工場から排出されるガスは、大きな原因の一つです。しかし、問題に大きく関与している国なのに、米国政府は解決するどころか放置を決め込みそうな雰囲気。それなら、排気ガスを何かに利用できないでしょうか? 例えば、充電とか。

ペンシルバニア州立大学の科学者達は、燃料電池を通じて二酸化炭素を電気に変える方法を考えています。同じような試みは以前にもありましたが、結果は非常にコストが高く、ほとんど電気を生み出せませんでした。しかし、今回の実験では、1ユニット単位の生産量が以前の200倍にもなりました。それでもまだ十分ではないのですが。とはいえ、こういった電池が環境の危機を救えるわけではないものの、短期的に見れば排気ガスを一部でも再利用することで、大気への放出を軽減できるかもしれません。

この電池は、2つのpH値(水素イオン指数)の異なる液体により、pH勾配を作ることで動作します。一方は重炭酸ナトリウム水溶液に空気が混合され、もう片方は水溶液に二酸化炭素が混合されます。これによってpH値に差が生じ、二酸化炭素が混ざっている側の方が正電荷量が高くなります。2つの水溶液は酸化マンガン電極に挟まれており、水溶液同士のpH勾配によって電子はより正電荷量の高い二酸化炭素側の電極に移動するため、電流が発生します。ひと通り電気を作り終えたら、水溶液を入れ替えれば新たに電気を作り出すこともできます。これらの研究結果はEnvironmenta Science and Technology Lettersに掲載されました。

排気ガスで電池は充電できるのか? 1

image: Kim et al

しかし、こういった電池が私たちのiPhoneを動かすには、まだまだ沢山の課題が残されています。現在、この電池の電力密度は非常に小さいのです。正確にいうと、1平方メートル辺り約1ワットです。同じような出力の燃料電池技術としては、海や川の水を利用して電力を生み出す研究などもあります。この1平方メートルの電池では、1時間活動させても単三電池ひとつにも満たない電気しか生み出せないのです。さらに、今回の実験は排気ガスではなく、純粋な二酸化炭素を使用しています。つまり、車や電力発電所から排出されるガスで電気を作るには、一度ガス精製するためのコストがかかるということです。

将来的にはこの研究が安価に二酸化炭素から電気を作るのに最適な方法になるかもしれませんし、逆に電池を作るために消費する電気に対して生み出せる電気が小さすぎて時間と金のムダになってしまうのかもしれません。ですが、排気ガスを大気に放り出すだけではなく、有効再利用できる方法があるかもしれないと思うと、少しだけホッとしますね。

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image: aapsky / Shutterstock.com
source: Environmental Science and Technology Letters

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
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