次世代へのビジョンと“ものづくり”を支える「匠」こそが日本のメーカーの活路だ:島根富士通工場レポート

富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)「FCCLの匠」体験会

未来へ進むために何が必要なのか?

近年はたびたび「一歩先感すげえぜ!」的なガジェットやテクノロジー、サービスなどが話題になります。そのジャンルは多岐に渡りますが、新しい技術が産まれ・育つというサイクルの中で、どれも人々の生活を豊かにするような進化を続けているようにも感じられます。

たとえば今、この記事を見ているPCやスマホやタブレットだって、昔からみたら信じられないほどの変化を遂げました。スペックもそうですが、単純に性能だけではありません。「軽さ」や「デザイン」、「機能」、さらには僕たちとPCやタブレットとの「関わり方」すらどんどん新しく更新されてますよね。

さて、ではこういったデジタルデバイスは、今後僕たちとどういった関係を築いていくのでしょうか? 2017年、加速度的にテクノロジーは進化し、人々の需要も多様化しています。作り手は今、必死になって未来のアウトラインを描いている最中なのかもしれません。

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そんな中、興味深いイベントが開催されました。島根県出雲市にある「富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)」の事業説明会「FCCLの匠」体験会です。今回、この体験会にギズモード・ジャパンが招待されました。体験会では、FCCLの齊藤邦彰代表取締役社長によるFCCLの事業説明をはじめ、さまざまなプロジェクトや製品がお披露目され、PC・タブレットの製造現場を公開したんです。

さまざまなメーカー・ブランドからPC、ガジェット、テクノロジーが生まれ入り乱れるこの時代、果たして日本のPCメーカーはどんな手法で活路を見出しているのでしょうか。富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)の取り組む最新テクノロジーの未来と、それを支え、生み出す貴重な製造現場を覗いてみましょう!

変わる生活、ホームコンピューティングの未来

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まず興味をひかれたのが、今後僕たちの生活に親密に関わってくるであろうホームコンピューティングへの取り組みです。

富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)はMicrosoftと共同でPCを「Home Hub」にするというホームコンピューティングを提案。PCのパワフルなCPUパワーを利用できるため、即時応答性に優れたシステムを利用できます。また、画像や個人情報などもPC内で処理できるので、プライバシーへも配慮した制御が可能になります。

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「Home Hub」の核となるのが自社開発のAI、「FCCL AI」です。つまりAIを搭載したコンシェルジュソフトウェアですね。彼(彼女)に話しかけることで、室内の家電を声で操作できます。また、PCに入力したスケジュールを参照し、インターネットからその時々に最適な情報を見つけ、ユーザーの状況に合わせて提案してくれるといったことも。面倒見の良い友だち…いや、お母さん的な?

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外出先では声で指示が難しい場合もあるので、Skypeを利用したテキストコミュニケーションで、室内への侵入を見張ったり、家電の制御などが行なえますよ。

現在、ホームコンピューティングはさまざまなメーカー、研究機関が最適解を模索している状態でありますが、パワーがあり、カスタマイズ性に富んだPCをハブとするという概念は、まさにPCメーカーらしいアプローチすよね。消費電力などへの課題も残りますが、実現したら最もパワフルで応答性の良いホームコンピューティングシステムとなるに違いありませんよ。

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教育へ向けたスマートルームシステムも披露されました。学校のサーバーと端末が直接やり取りするのではなく、中間処理としてエッジコンピューターを配置。機器毎にネットワーク帯域の調整を行なったり、トラブルを検出し、遠隔で修正したり、外部からの不正アクセスを遮断するといった対応がスムーズにできるとしています。

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エッジコンピューターで各端末の充電制御などもできるんですって。「せんせーい!電池な〜い〜!」といったことも起こりませんね。まだ開発中のプロジェクトですが、今後タブレット教育はますます広がっていくことでしょうし、こういった端末を適切に管理するといったシステムは絶対に必要ですよね。今後は採用事例なども出てきそうな気がしますよ。

なお、このプロジェクトは「Computing for Tomorrow」という取り組みから産まれたもののひとつ。年齢、性別、役職などを超えた有志が集まるチーム活動として、自由な発想の元、開発・事業化に向けて半年間みっちりと取り組むことになります。アイディアを積極的に提案でき、優秀な人材を伸ばしていけるようにという、素晴らしいしくみです。

富士通の歩んできた過去、そしてこれから

FCCLのエントランスには歴代の名機が並ぶ特設コーナーが設置されていました。まず注目すべきは現在の最新機種です。

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「え?これモックじゃないんですか?」

何度も聴き直した最新の超軽量のラップトップ「LIFEBOOK UH75/B1」。重量約777gという驚異的な軽さ。軽さこそが我らのジャスティス!と考えているモバイラーの方々の心に突き刺さるであろう期待のラップトップです。記者発表会の会場では量産・出荷した筐体の平均値を出したところ、発表時の重量よりもさらに軽い761gを実現できているとのことも述べられました。これは13インチノートでの世界最軽量となります。

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次世代のラップトップから採用されるであろう新素材のデモンストレーションもユニークです。マグネシウムとアルミニウムの複合素材により、アルミニウムと同じ光沢を持ちつつも、より軽いものが作り出せるとのこと。とことん突き詰める軽量化の鬼

薄く軽く。ラップトップの目指すひとつのゴールはそこにあることは間違いありませんよね。

そして小型化や軽量化を図りつつも堅実な筐体をデザインするというところは、日本メーカーが得意とするジャンルでもあります。ここ最近の世界最軽量争いを含め、日本のPCはトップを走れるぜ!という力強さを感じることができました。いや、こういう技術は本当に嬉しくなりますね! なお、僕も軽さ=ジャスティスな人間です。

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続く展示コーナーではメディエーターロボット「ロボピン」がおもてなし。クラウド連携機能やビーコンタグの読み込み機能などを備えています。人型の多関節ロボットが流行っていますが、こういったマスコット的なロボットも可愛いですね。

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世界で初めて全モデルにCD-ROMドライブを標準搭載した名機中の名機、「FM TOWNS」様ですよ! いやぁ…懐かしすぎて涙が出そうです。当時は猿のようにダンジョンマスターやアフターバーナーをプレイしていましたよ。Fire!

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そして過去から未来へ

これらは近未来のPCのコンセプトたち。生活に馴染むスタイリッシュなラップトップ、狭額縁デスクトップから、デザイナーやクリエイターに向けた2画面折りたたみ式PCなど、意欲的なコンセプトが鎮座しています。

この他にも、学生と共同開発された、映像やキーボードを投影するボックス型デバイスや、木をパームレストした自然の触覚を楽しむPC、鏡をディスプレイ化して直感的なコミュニケーションを図れるデバイスなど、現代・未来での人とモノとの向き合い方を想像させられるコンセプトが多々ディスプレイされていました。

ここを眺めているだけでも想像力が掻き立てられます。

君はどこから産まれ、どこへ行くのか。PCの製造現場に潜入

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体験会では貴重なPCやタブレットの製造過程を見ることもできました。

FCCLではさまざまな工程でロボットが導入されています。人間が行なう工程が自動化されていたり、人間が行なう前段階の工程をロボットが行なっていたりと、機械と人間が一緒に作業することのないように設計されているとのこと。

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みなさん知ってました? USB端子ってロールに巻かれてるんですよ…!

工程では、ユーザーには絶対にわからないPCの作り方みたいなビックリが満載。USB端子がマシンガンの弾のように組み込みマシーンの中に吸われ、装着されていく様子は圧巻です。すごいよこのマシーン!

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こちらは、パーツをピックアップを正確に行なうための「ストアピッキングシステム」。タブレットによるピックアップ指示に対して、製品に付けられたICタグを作業者がセンサーで読み取るというピックアップシステムです。

部品をピックアップするだけでもテクノロジーが使われていて、より効率良く、そして間違いなく完遂できるような工夫が至る所で見かけられます。さすが日本を代表とするPCメーカーの製造現場ですね。FCCLでは、こうして人間と機械の関わり方を模索し、どういう事を機械化したら効率的か? ということを常に研究していると言います。

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良いものを、安心できるものを、便利なものを作る。そして環境や人材を作る(育てる)。

モノで溢れるこの時代に、富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)が見出した答えは、その品質へのこだわりであり、生産能力の向上であり、顧客からの満足度の向上でもあります。そして同時にそれらに挑み、システムや物事を変え続けることへの挑戦でもあります。FCCLで「匠クオリティ」と称されるこれらこそが、新しいテクノロジー、モノ、時代へ向き合うために備えたFCCLの武器なのでしょう。

今後、僕たちの生活と、PC・タブレット・スマホなどはどう融合していくべきなのでしょうか。

常にテクノロジーへの向き合い方は手探りです。しかし、ふとその手に収まるであろうモノのいくつかは、ここ出雲の国から。FCCLの「匠クオリティ」より生まれいずるのかもしれません。

source: 富士通クライアントコンピューティング株式会社

(小暮ひさのり)

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