ランニングマシンで調査!サハラ砂漠のアリが自分の巣に戻るまで

ランニングマシンで調査!サハラ砂漠のアリが自分の巣に戻るまで

ひたすら走ってるように見えますが、微妙に変わる速度や方向にも注目です。

真っさらなサハラ砂漠の地を、小さな身体でせっせと歩き回るアリ。彼らは歩数によって距離を認識しながら移動し、ほぼ迷うことなく、可能な限り最短距離で巣に戻る習性があるといいます。

そんなアリの生態を調べようと、専用のランニングマシンを開発したのは、ドイツにあるフライブルグ大学の研究者たち。発泡スチロール製の球体を吊るした装置は、PC用マウスに使用されるのと同じ光学センサーがついています。アリが乗って球体が動き出すと、足取りによって方向が変わったり、速く動くようになったりする仕組みになっています。とにかく砂漠の環境に可能な限り近く、アリが自然に歩けるようデザインされているそうです。

一般的に、最大10mほどの距離を移動するといわれているサハラ砂漠のアリは、天敵のいる環境でも巣にまっすぐ戻れるように、太陽で位置や方角を確認し、歩数によってどの程度の距離を歩いたか計る能力があると考えられています。

自然の中でアリがどのように動くのかを調べるために、今回行なわれた実験は次のとおり。

まずは食糧を探させるために、アリは土の中、そして実験セット内にそれぞれある巣に放たれます。食糧探しの旅も終盤にさしかかり、家路に戻る前のタイミングで今度は研究員に捕まれてランニングマシンのうえに移動させられます。

ランニングマシンで調査!サハラ砂漠のアリが自分の巣に戻るまで2

ひとたび巣の付近に辿り着くと(見ている私たちにとっては、アリは同じランニングマシンの上にいるんですけどね)、アリは歩く速度をゆるめて巣を探すために彷徨うような動きを見せたことがわかりました。また実験で観察された特徴は、自然のなかで巣の近くを歩くパターンとほぼ一致していたといいます。

今回作られたランニングマシンについて研究員のひとり、Matthias Wittlingerさんは「アリの空間的定位やナビゲーション能力のメカニズムや神経基盤を調べるうえで、無限の可能性を与えてくれる。アリが特定の変化に対してどのような反応を見せるか調べることもできる」と振り返っています。

次なる研究の展望として、アリの脳信号を計測したいと明かしている研究者たち。将来的には、たとえば人工受粉のできるロボット昆虫のための効果的なソフトウェア開発など、虫の移動に関する調査で新たな可能性が広がることが期待できそうです。

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all images by Hansjürgen Dahmen et al., 2017
source: Journal of Experimental Biology

George Dvorsky - Gizmodo US [原文
(Rina Fukazu)