歯を磨かなかったネアンデルタール人、その歯石から多彩な食習慣が判明

歯を磨かなかったネアンデルタール人、その歯石から多彩な食習慣が判明

歯を磨かないことで後代に貢献…?

現在の欧州エリアに4万年前まで居住していたとされるネアンデルタール人。ボクらの祖先と交流があったとも考えられています。そんなネアンデルタール人は歯を磨くことがなかったようで、虫歯の化石からネアンデルタール人の食習慣が解き明かされたことが、科学誌のNatureで発表されていますよ。

スペインのエルシドロン洞窟やオランダのスパイ洞窟から発見されたネアンデルタール人の化石には、口内に歯石が残っており、研究チームはDNA解析を実施。その結果、同時期に生息したネアンデルタール人でも、居住地域によって食習慣は異なっていたことが判明しています。スパイ洞窟のネアンデルタール人は、羊やサイなどの動物の肉を食していました。一方、エルシドロン洞窟のネアンデルタール人は、完全なる菜食主義者で、木の実やキノコなどを主に食していたとのことですね。

ネアンデルタール人が巨大なマンモスなどののみを食して生きていたとの偏った見方は、マンモスなどの動物が多く生息し、そのほかの食糧源はあまり見いだせなかった北方地域の発掘から導き出されたものだ。しかしながら、ネアンデルタール人は世界の別の地域にも存在しており、現在の人類のように順応性が高かった。木の実からサイにいたるまで、幅広い食べ物を漁って生きていた。

ジブラルタル博物館のStewart Finlayson氏は、今回の研究発表を受けて、このように語っています。また驚くべきことに、ネアンデルタール人のなかには、解熱鎮痛薬のアスピリンの原料にもなるポプラを噛んでいた事例もDNA鑑定から判明しました。さらにNatureには、一部のネアンデルタール人が、薬効を知ったうえでポプラを鎮痛剤に使用していた可能性もあるとの説が掲載されました。

しかしFinlayson氏は、このNatureでの発表については、以下のような懐疑的な意見を述べています。

今回の結果だけでは(薬効を知ってポプラが用いられていたと考えるのは)あまりにも突飛な想像でもあるだろう。ただ空腹ゆえに口にしただけだったかもしれない。ポプラの成分に関する深い知識をネアンデルタール人が有していたとまでは結論できない。

とはいえ、現代人と同じく、ネアンデルタール人が虫歯に苦しんでいたのを知るのは興味深いことですよね。まさか自分の歯石が、こうして何万年も後に貴重な研究材料として分析されているとは、当時のネアンデルタール人は夢にも思わなかったことでしょう。ということは、いまのボクらが歯を磨かずに化石と化せば、これまた後代の貴重な研究材料になっていったりもするのかな~。

発掘された化石はこうやってキレイにされて博物館に並ぶのです

image: Paleoanthropology Group MNCN-CSIC
source: Nature

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
(湯木進悟)

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