「愛着」をサービス設計の基礎に。RoBoHoNがスマホの未来を変えるかも

Mugendai

「愛着」をサービス設計の基礎に。RoBoHoNがスマホの未来を変えるかも 1

読んだら絶対欲しくなります。

昨年、シャープから発売されたロボット型スマートフォンRoBoHoN(ロボホン)」。会話を楽しめたり、プロジェクタを搭載していたり、何よりその愛らしい見た目が特徴的な、キュートなロボット電話です。

でもすごく正直に言えば、スマホの代わりとして持ち歩くにはさすがに大きいし、触ってはみたいけど、本気で乗り換えようとは考えておりませんでした。

ただ、IBMのWebメディアMugendai(無限大)に掲載された、RoBoHoNの生みの親で、世界的に有名なロボットクリエイター高橋智隆さんのインタビューを読むと、ちょっと考え方が変わりそうです。高橋さんが見ているロボットとスマホの未来は、もっとずっと先にあるんですから。

アトムではなくドラえもん。IoTのハブとしてのコミュニケーション・ロボット

株式会社ロボ・ガレージ代表取締役社長で、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授などを務める高橋さん。以前に開発した「KIROBO(キロボ)」は、国際宇宙ステーション若田光一宇宙飛行士と会話をして話題となり、パナソニックの乾電池「EVOLTA」を使ったルマン24時間への挑戦では見事完走、ギネス記録にも認定されるなど数々の業績を残しています。

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そんな高橋さん、幼い頃に見た「鉄腕アトム」に影響されロボット作りに憧れたそうですが、開発を進めるうち、よりカジュアルで身近な存在である「ドラえもん」こそが、未来のロボットと人間の関係であると考えるようになったとか。

高橋さんは、インタビューで以下のように語っていますよ。

皆さん、家事全般を担うお手伝いロボットのようなものを期待されるんですが、人間のように、何でもやってくれるマルチタスクは技術的に難しい。そもそも作業させる上では人型というのは本当に不器用で役に立たない、というのが結論なんですね。


一方、それぞれにタスクを持つ機器を家中に置いておけば、いろいろな作業が同時にはかどります。その中に、IoT(Internet of Things)のハブとして機能するコミュニケーション・ロボットがいて、それを介してさまざまな機器が動くイメージです。ヒューマノイド・ロボットの存在意義はこうしたコミュニケーションにあると考えるようになりました。

スマホ唯一の弱点。「話しかけたくなる」形こそがロボット型電話の未来

今や我々の生活に欠かせなくなったスマートフォン。調べ物も、買い物も、友だちや家族とのコミュニケーションだって、すべてスマホを介して行われる時代です。

しかし高橋さんは、そんなスマホに「あえて弱点があるなら」と前置きし、こんな話をしています。

スマホの弱点をあえて探してみると、音声認識については、非常に優秀な機能を備えているにもかかわらず、あまり使われていないことが挙げられます。


なぜか。私たちは家で飼っている犬猫はもちろん、亀や金魚にまで愛着を感じ、声をかけています。私たちが声をかける対象は、それが賢いかどうかではなく、そこに命を感じるか否か。スマホの音声認識機能があまり使われていないのは、人は四角い箱に命を感じないし、それに向かって話しかけたいとは思わないからです。

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たしかにソニーのAIBOを振り返ると、コミュニケーションでき、見た目が愛らしいからこそ惹かれていました。そこに実際の生命が宿っているか否かは、また別の話なのかもしれません。

そんな考えから、高橋さんは「ロボットの未来はスマホであり、スマホの未来がロボットである」という考えに至り、RoBoHoNが生まれたのだそうです。

小さいことにも意味がある。コミュニケーションをデザインする高橋マジックとは

ご覧になるとわかる通り、RoBoHoNは可愛らしく子どものような外見をしていますが、実はこれも高橋さんの戦略の1つ。その意図について以下のように語っています。

大事なことは、ロボットとのコミュニケーションが、求められる期待値を下回ってしまわないようにする必要があります。ロボホンが小さいのも子どもっぽいのも、すべては期待値を上げないために意図したデザインです。「大したことないだろう」と見くびってかかったロボットが、何かちょっとしたことをやってくれるだけで、人は加点法で高く評価します。

単なる「便利なロボット」を作るのではなく、人の「感情」や「愛着」をサービスに昇華させる高橋さんのロボット論。他にも、「迷ったときには困難でもユニークな選択肢を選ぶ」という人生哲学、ロボット教室での大人顔負けの天才少年少女たち、2020年の東京オリンピックでの野望など、興味深い話が満載の高橋さんのロングインタビューは、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。

source: Mugendai(無限大)

(渡邊徹則)

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