雨上がりのいい匂いに隠された、ちょっとだけコワイ真実

雨上がりのいい匂いに隠された、ちょっとだけコワイ真実

さわやかな雨上がり、と思いきや…

雨上がりの直後に地面から立ち上るフレッシュないい匂い。このちょっと土臭い匂いで死ぬかもしれないなんて、だれも想像しないでしょう。でも、雨はほとんどは無害とはいえ、細菌を空気中に放出して病気を拡散してしまうこともあるんです。

そのプロセスの解明に取り組んだ機械工学技術者のグループが、どうやって土の匂い地面からに届くかを解説する論文を、Nature誌に発表しました。

これまでに、ゲオスミンと呼ばれる化学物質が雨上がりの匂いや、真っ赤な野菜レッドビートの土臭い味の原因となっていることはわかっていました。そして、科学者たちはついに雨の小さなしずくによって、この匂いが大気中にどのように拡散するのかを解明したのです。

雨上がりのいい匂いに隠された、ちょっとだけコワイ真実 1

image: Young Soo Joung / Nature

米国の公共ラジオ、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)は、以下のように報じています:

 

高速カメラと蛍光色素を用いて、細菌を満たしたさまざまな種類の土壌に落下する水滴を撮影すると、しずくが微生物を大気中に弾き出しているのが観察されました。

雨粒が適切な速度で地面に当たると、人の髪の毛よりも微細な空気泡を閉じ込めます。

プールの底の容器の下の気泡のように、それらの気泡は上昇し、表面に達すると破裂します。

泡が破裂すると、小さな水噴流が空気中に噴霧され、ときには細菌を運ぶこととなるのです。

雨上がりのいい匂いに隠された、ちょっとだけコワイ真実 2

image: Young Soo Joung / Nature

研究チームはたった1滴の雨で、数千もの菌を含む数百もの小さな飛沫が撒き散らされることを発見しました。この細菌は、ほとんど目に見えない飛沫の中で約1時間生存でき、いったん空中に浮遊すると風で運ばれます。プロジェクトの研究者の一人であるカレン・ブイエ(Cullen Buie)さんによれば、研究の次のステップは、細菌がどれくらい遠くまで移動できるかを調べることだそうです。

細菌は人に危害を加えることはないので、大したことではありません。しかし、ブイエさんたちがこの研究を開始したのは英国の科学者から、東南アジアとオーストラリア北部で人獣共通の感染症である類鼻疽(るいびそ)が梅雨期になると拡大する、と知らされたためです。この感染症は治療可能ですが、抗生物質で適切な処置をしないと死亡率90%という、怖い病気です。

類鼻疽の蔓延と降雨の関連性に着目したのは、今回の研究チームが初めてというわけではありませんが、雨について理解を深めてくれる研究です。ラッキーなことに、類鼻疽はごくまれな病気で、特に日本ではほとんど例がありません。これまで通り、雨上がりにおいしい空気を胸いっぱい深呼吸しても良さそうです。

オーストラリアで雷雨の直後、多数の人が喘息発作で呼吸困難に!
ついに雨具界にイノベーションが。傘を持ってくれるドローンが開発中

image: HelloRF Zcool / Shutterstock.com, Young Soo Joung / Nature
source: Nature, NPR
reference: Wikipedia 1, 2

Rhett Jones - Gizmodo US[原文
(Glycine)