次のSpaceXロケット打ち上げが見逃せない理由「成功すれば宇宙事業に激震」

次のSpaceXの打ち上げが重要な理由。成功すれば宇宙事業に新たな歴史

成功を祈る!

SpaceX(スペースX)の宇宙事業の最大の特長は何か。それはイーロン・マスク氏のキャラではなく、ロケットの再利用にあります。1度きりの使い捨てではなく、1度打ち上げたロケットを再度使うことができる。それがSpaceXの考える宇宙事業低コスト化の柱です。

アメリカ現地時間で今週木曜日、フロリダ州のケネディ宇宙センターにて、SpaceXにとって非常に大きな意味を持つ打ち上げが行なわれます。昨年4月、国際宇宙ステーションへドラゴンを打ち上げたFalcon 9(ファルコン9)ロケット、これを再利用する時がきたのです。打ち上げ&着陸(回収)に成功すれば、初の再利用ロケット打ち上げとなるのです!

SpaceXのウェブサイトにあるマスク氏の言葉が、今まさに最初の1歩を刻もうとしています。「もし、飛行機のように、ロケットを再利用する方法を確立すれば、宇宙へ行くための費用は大幅に下がる」「再利用可能な乗り物は今まで誰もやっていない。これは、まさに宇宙への進出を革命的に変えるブレイクスルーの根幹だ」。2015年12月以来、SpaceXはファルコン9ファーストステージ着陸を、8つのミッションで成功させています。初着陸成功後は、海上の船に着地させるなど難易度もアップさせてきました(関連記事:オバマ大統領も祝福。SpaceX、ついにFalcon 9の海上着陸に成功!)。

ロケットの再利用という宇宙事業の新たなページ、なぜ、今まで誰もチャレンジしなかったのでしょうか? いや、チャレンジはしてきたんです。Amazonのジェフ・ベゾス氏のBlue Originは、過去に5回打ち上げ&着陸に成功しています。が、これは軌道に乗らないタイプのロケットなのでSpaceXのミッションとは比べ物になりません。あのスペースシャトルも再利用をコンセプトに掲げていましたが、再利用できるのはほんの一部で、ロケット再利用と言うには及ばず。宇宙事業に携わるいろいろな人が考え実現できなかった再利用ロケット、2002年起業のSpaceXが今、実現しようとしているのです。

コロラド大学ボルダー校のエンジニアリング学部長のBobby Braun氏は、「再利用」についてこう説明しています。「今週打ち上げ予定のロケットの再利用は、機体のファーストステージ部分のみ。再利用可能ロケットと言うからには、業界が作りたいのは完全に再利用できるロケット、ファーストステージもセカンドステージもすべて。ただ、ファーストステージは最もコストのかかる大きなエンジンではある」

通常、SpaceXの打ち上げロケットを利用する場合、6100万ドルがかかります。しかし、再利用ロケットを利用する場合、30%のディスカウントを提供することになっており、Spaceflight Nowによれば、今回の打ち上げを依頼したヨーロッパの通信衛星会社は、けっこうなディスカウント価格をもらったとかなんとか。今後、マスク氏の思う通り人間が火星に住むことになれば、たくさんの地球人を宇宙に移住させていくことになり、30%ディスカウント以上の低コスト化が求められます(関連記事:「死ぬ気で俺についてこい!」イーロン・マスクが火星移住計画を発表)。

Braun氏いわく、今回の打ち上げ成功はSpaceXだけのものではないといいます。「SpaceXやBlue Origin、NASAなどが打ち上げコストの減少に成功すれば、宇宙業界全体に激震が走る。今回の打ち上げ自体も見物だが、なにより宇宙業界は成功を祈っている。自身のメリットだけでなく、成功によって業界に走る波を期待しているからだ」

打ち上げは現地時間で30日(木)午後6時から8時半。日本時間では、31日(金)午前7時から9時半です。

image: SpaceX via Flickr
source: SpaceX, Spaceflight Now

Rae Paoletta - Gizmodo US[原文
(そうこ)

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