人間のリベンジなるか。囲碁AIの「AlphaGo」今度は中国の囲碁チャンピオンが挑戦

人間のリベンジなるか。囲碁AI「AlphaGo」今度は中国の囲碁チャンピオンが挑戦

人間とAlphaGoの協力プレイも。

2016年、Google子会社のDeepMindが開発した人工知能囲碁ソフトウェア「AlphaGo」が、人間の囲碁トップ棋士のひとりイ・セドル氏から歴史的勝利を勝ち取りました。それは人工知能開発の歴史上重要なマイルストーンとなりましたが、AlphaGoはこれで打ち止めじゃありません。今年5月、AlphaGoは中国のトップ棋士たちとの5日間にわたるトーナメント戦を予定しています。そこには、現在世界最強とされる柯潔(か・けつ)氏も参加します。人間がリベンジするときがやってきたのでしょうか?

この人間対機械の戦いは「Future of Go Summit」と題され、中国の烏鎮で5月23〜27日に開催されます。主催はGoogle傘下のDeepMind、中国囲碁協会、そして中国政府です。そこではAlphaGoと人間がいくつかの対戦形式で戦うとともに、AlphaGoや人工知能全般の未来についてのトークやパネルディスカッションがあります。

AlphaGoがイ・セドル氏を破って以来、囲碁のトップ棋士たちは彼らの戦いをじっくり振り返ってきました。彼らはAlphaGoとイ氏の戦いで何が起きたのか、なぜ機械が専門家も無理と言っていたことを実現できたのかを理解すべく考え続けています。興味深いことに、AlphaGoとイ氏の対戦以来囲碁ブームが起きていて、プロも驚くような新しい戦い方も編み出されてきました

「棋士はみな、多かれ少なかれAlpha先生の影響を受けていると思います」と、上のDeepMindが公開した動画でプロ棋士の周睿羊(しゅう・えいよう)氏は言っています。「AlphaGoのプレイは、我々により自由を感じさせ、どんな動きも不可能ではないと思わせてくれます

AlphaGoの勝利はこの古代から続くゲームについて、人間にはまだ学ぶ余地があることを示しました。そこでこの「Future of Go Summit」です。DeepMindによれば、サミットではAlphaGoと中国のトッププレイヤーが以下3つの形式で対戦、または協力プレイを見せてくれる予定です。

Pair Go:中国のプロ同士が、それぞれAlphaGoをチームメイトとして交互に指すことで、「ともに学ぶ」コンセプトを文字通り実現します。

Team Go:中国のプロ5人のチームとAlphaGoが対戦し、彼らの統合された戦い方に対するAlphaGoの創造力と適応力を試します。

柯潔 vs AlphaGo:このイベントの中心となるのは、もちろんクラシックな1対1の試合です。AlphaGoと世界第一位のプレイヤー・柯潔が3回戦勝負を行い、AlphaGoの限界に挑戦します。

中でもやっぱり注目は、世界チャンピオンの柯潔氏とAlphaGoの対戦です。柯氏は彼の戦略がコピーされることを恐れて、AlphaGoとの対戦に消極的だったのですが、イ氏の敗北で考えが変わったようです。もちろん柯氏とAlphaGo、どちらが勝つかはわかりません。柯氏は今、フランスの計算科学者レミ・クーロン氏が運営する非公式な棋士ランキング「Go Ratings」で世界トップとされているし、このランキングで4位のイ氏だってAlphaGoに1回は勝っています。ただAlphaGoは今も改良が進んでいて、対戦のたびに腕を上げているようです。

一方、5人のプロがAlphaGoに対抗すべく知恵を集める「Team Go」も面白いことになりそうですが、人間とAIが協力して交互に石を打つ「Pair Go」はどうなんでしょうね。チェスだと「ケンタウロス・チェス」っていう戦い方があって、そこでは人間がAIを意志決定ツールとして使って、両者が完全に一体となります。最近のAI研究ではこういう風に、人とAIが力を合わせることで飛び抜けた力を発揮するパターンが面白いことになっています。イーロン・マスクも、AIと並行して人間の頭脳も超知能に高めていかないとって考えてますしね。ただ交互に打つだけだと、そこまでの一体感はないのかもしれませんが、実際どうなることでしょうか。

サミットではこれら対戦の他に、人工知能の未来に関するフォーラムも開かれます。中国の人工知能関係の専門家が集まって、AlphaGoがいかにして囲碁に習熟したか、この技術が他の目的でいかに利用できるか、といったテーマで議論する予定です。

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image: Saran Poroong / Shutterstock.com
source: Deepmind via TechCrunch, DeepMind - YouTube
reference: Go Ratings, IEEE Transmitter

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)