ボディカメラメーカーAxonが、アメリカのすべての警察署に1年間無料でボディカメラを提供

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ボディカメラメーカーAxonが、アメリカのすべての警察署に1年間無料でボディカメラを提供

心配なところもありますが…。

先日、ボディカメラでアメリカシェアトップを誇るAxon(親会社であるスタンガンメーカーのTaserがAxonに改名)が、米国内の警察署に無料でボディカメラを提供すると発表しました。米国内すべて…、約1万8000もの警察署、70万人もの警察官に提供することになります。Axonが警察に1年間の無料提供を提案しているのは以下のツール。

・正規警察官1人につき「Axon Body 2」カメラ1台
・Evidence.comの「Unlimited Pro」ライセンス、デジタルデータストレージ
・警察官1人につきマウント2台
・カメラの映像を安全にアップロードするためのドッキングステーション
・Axon Academyのオンライン・トレーニング・ライブラリーへのフルアクセス

警察官がより効率的に安全に仕事ができる、とプレスリリースでボディカメラ重要性をとくAxonの狙いは1年後。期間付きの無料提供=お試し期間なわけで、つまりは、よかったらその後は買ってねということ。アメリカではすでに普及が進んでる警察官のボディカメラだけに、このお試し期間を機に大量導入する警察署がでてくる可能性は高く、Axonにとっては大きなチャンス。アメリカにとっては、1年間使った末に他社に乗り換えるなんてことはまずないでしょう。端末の返却、データの移行、トレーニングからなんやらの時間やコストを考えれば、そのままAxonでいくでしょうからね。となれば、お試し期間の後、5年間80万ドル(約9,000万円)プランの契約がとれれば、Axonとしては1年無料なんて痛くも痒くもない話。Axonの無料ボディカメラは、大きな警察署から提供をスタートさせる予定で、警察官500人以上を抱える署には、早ければ今月にも配布されるとのこと。

しかし、そもそもボディカメラは、最大の利点であるはずの「思いがけず撮れた映像」という点で疑問や問題が残るのが現実。何かコトが起きる前、起こす前に、カメラをオフにするといった行為が実際にあり、そのたびにカメラの存在意義が問われています。また多くの警察署で、ボディカメラの使用について細かなルールが定められていないことも問題の1つ。映像の保存期間は? 消去していい状況は? 映像を公開するタイミングは? 報告前に警察官が映像を見てもいいの? 疑問、問題は山積みです。米司法省はボディカメラ導入に積極的で、それなりの予算をさいています。その中には、利用ポリシーやガイドラインを整えるための予算も含まれており、対応を急いでいる様子。しかし、今回のAxon無料提供には、適応される使用ルールというものはありません…。

Axonは今年2月に人工知能スタートアップのDextroを買収。物体認識AIが驚くべきスピードで動画内のモノを認識します。ただ、これがすすめば、モノだけでなく顔認識をし始めるのも時間の問題で、警察官の日々のパトロール=監視カメラで撮影中となれば、市民が不安がるのもわかる話。

ボディカメラ装着が必要な署、必要な部署は間違いなくあるでしょう。ただ、みーんながみんなに1年間無料提供というのは、あまりにも大掛かりで時期尚早な気がします。まずは使ってみてから、ルールは使いつつおいおい決めていこ!というのは、実にアメリカ的ではあるのですけれど…。

「5,000テラバイトの映像どうするよ…」 Axonが、AIの映像解析スタートアップを買収

image: Skyward Kick Productions / Shutterstock.com
source: Axon
reference: KRQE News 13, Albuquerque Journal, Fusion

Sidney Fussell - Gizmodo US[原文
(そうこ)

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