稲に花を咲かせましょう。開花タイミングが制御できる稲、誕生

稲に花を咲かせましょう。開花タイミングが制御できる稲、誕生

花咲かじいさん」がリアルになります。

あれは灰を撒くと枯れ木に花が咲いたというお話ですが、こちらは「」。そう、みんな大好きお米です。

東京大学大学院農学生命科学研究科の井澤毅教授らの研究グループが作ったのは、農薬を撒いたときにだけ開花する新しい稲の系統。つまり、いままで稲任せだった開花タイミングを、農家がコントロールできるということになるのです。

農薬と言っても危険なものではなく、稲ではメジャーな病気である、いもち病・白葉枯病を防ぐための「オリゼメート」や「ルーチン」といった市販の農薬です。こちらを改良された稲に撒くと、その後40-45日開花するとのこと。下の写真左が農薬を散布しなかった稲で、右が散布した場合。農薬が散布された方だけが穂をつけ、花が咲いています。

稲に花を咲かせましょう。開花タイミングが制御できる稲、誕生 1

ただ、収穫タイミングではなく、あくまでも開花タイミング。開花から収穫までの間もお天気に左右されますし、時には台風とかいう天敵にもエンカウントするので、あくまでも戦略として有効といったレベルですけどね。収穫日のコントロールへ繋げるためには、天候の他、気温といった状況も加味しなくてはいけません。

それでも大きな進歩ですよね。何も対策をしないよりも計画は建てやすくなります。本業の米農家はもちろん、平日は会社員、土日に農業といった兼業農家の方々にはメリットも多いのではないでしょうか。週末ごとに開花させるように調整すれば、ちょうど1週間ずつずらして土日を使って収穫するといった調整も狙えます。

この稲の系統はすぐに登場するわけではなく、今後は田んぼやその他の環境条件でも同じように開花を制御できるのか?といったところを調査していくようです。また、食用にするのであれば、大事。開花を伸ばした場合に食味の変化があるのか?や、人気品種と交配させた場合にその特性が引き継がれるのか?などにも興味があります。

これは、まだまだ長い調査・改良期間を要するであろう研究です。しかし、上手くいけば1年に1回の失敗できない勝負に対して、1つのアドバンテージを得られるであろう大きな一歩です。上手くいけば、稲作は今よりもずっと有利になっていくことでしょう。

お米好きとしては、ぜひとも花咲いて欲しい研究です。

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image: Victor Jiang / Shutterstock.com, 井澤 毅 / 東京大学
source: 東京大学

(小暮ひさのり)