「日本からハードウェアが生まれなくなる」危機に瀕した町工場、復活のカギは3Dプリンター?

Mugendai

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ニッポンの技術者魂。

下町の工場がロケットを作る、なんてドラマがありましたが、実際、日本の町工場は長年に渡って世界のハイテク産業を支えていました。

今回の舞台である墨田区もその1つ。その工場の数は、大田区、足立区に次いで都内3位となっています。しかし、高度経済成長期には1万軒近くあった墨田区の町工場も、今では約2,800軒に減少。さらには、5年以内の廃業予定が500軒ほどあり、最盛期の4分の1にまで減少するといいます。

その理由としては、後継者不足、海外への資本の流出、そして3Dプリンタなどを始めとした最先端技術の登場などがあるわけですが、その町工場の復活を目指す経営者の物語が、IBMのWebメディアMugendai(無限大)にて紹介されていました。

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浜野慶一さんは、墨田区にある浜野製作所の経営者。最初は毛嫌いしていた町工場でしたが、その魅力に気付き父親から引き継ぎました。しかし、日本や世界の技術を支えていた町工場に一時の勢いはなく、ただ衰退を見ているしかありませんでした。

そんな危機を乗り越えるべく浜野さんが始めたのが、「Garage Sumida(ガレージスミダ)」というプロジェクト。3Dプリンターレーザーカッター3DスキャナCNC加工機といったデジタル工作機器を取り揃え、モノづくりの基盤技術集積や異業種交流を目的として立ち上げられました。

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自身のビジネスや工場にとって不利とも思えるこの活動ですが、浜野さんが見ているのはそんな小さな未来ではありません。危機感を抱いているのは、日本からハードウェアが生まれなくなること。町工場が減りモノづくりの技術がなくなれば、どんなによいソフトウェアやアプリケーションが出てきても、ハードはすべて海外製、という未来を憂いているのです。

そんな浜野さんの思いは、すでに共鳴を始めています。たとえば、東京大学大学院流体力学を専攻していた清水敦史さん率いる株式会社チャレナジーは、新型風力発電機のベンチャーとして浜野さんと共にGarage Sumidaに本社を置いています。

清水さんは流体力学に精通しているものの、金属加工や溶接は素人。反対に、浜野さんたち町工場の方々は流体力学に明るくなくとも、モノづくりに関してはプロフェッショナルです。お互いの技術やノウハウを補い、協力していく形を模索しながら、ほかにも5社の起業計画が進んでいるんですって。

Garage Sumidaに関わるすべての人に共通しているのは「社会の課題を解決したい」という思い。助け合い、補い合うことで、世の中の問題を解決する技術者集団が生まれるというわけです。

浜野さんたちの挑戦、応援したいですよね。

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他にも、新工場が完成直前にまさかの全焼をしてしまった話、3Dプリンタと職人の関係、電気自動車や8,000メートルの深海を目指したプロジェクトなど、浜野さんの物語の続きは、Mugendai(無限大)からお楽しみください。

source: Mugendai(無限大)

(渡邊徹則)