米国人が牛肉を食べなくなったら地球に優しかった、ってどういうこと?

米国人が牛肉を食べなくなったら地球に優しかった、ってどういうこと?

牛肉1kgあたり、二酸化炭素は26kg排出されてるなど。

米国人の主食は牛肉なんじゃないかってくらい、米国のスーパーには巨大な牛肉のかたまりが売ってるし、ハンバーガーのハンバーグもバンズから大きくはみ出してます。でも新たな研究によると、米国人は10年前に比べて牛肉を食べなくなっているらしいんです。

天然資源防護協議会(Natural Resources Defense Council:NRDC)が先日発表したレポートによると、米国で消費された牛肉の量は2005年から2014年にかけてひとりあたり19%減少したそうです。そして、これは米国人の健康に(多分)良かっただけじゃなくて、地球全体の環境保護にも貢献したらしいんです。

NRDCのレポートによると、牛肉1kgあたりを生産するのに排出される二酸化炭素は26kgにも上ります。というのも、牛のエサは牧場の草かと思いきや、たいていはどこか遠くで栽培されたトウモロコシとか大豆が与えられていて、その生産や輸送に二酸化炭素が伴います。さらに牛のオナラには、二酸化炭素の25倍も地球温暖化効果のあるメタンがたっぷり含まれています。そのうえ、エサの農場や牛の放牧地にまかれる肥料に含まれる亜酸化窒素の温暖化効果は二酸化炭素の298倍もあります。

NRDCによれば、牛肉消費量が19%減ったことで削減できた10年間の温室効果ガスは1.85億トンにも達し、これは車の排気ガス換算で3,900万台に相当するそうです。

牛肉の消費量 環境改善

でもこの10年、良い変化ばかりじゃありません。同じ期間に消費量が増えた食品もあり、そのうちチーズやバターやヨーグルトといった乳製品はやっぱり牛から生まれるものなので、その分温室効果ガス増加につながってしまいます。またアスパラガスやレタスといった野菜の消費量も増えたんですが、これらも二酸化炭素の発生源になってしまうそうです。

それでも、この10年間の食品関連の温室効果ガス排出量は、全体では9%減少したそうです。このうち牛肉による温室効果ガス排出量は、食品関連全体の排出量の3分の1に相当しています。残る3分の1は鶏肉+豚肉+卵+チーズ、最後の3分の1はその他もろもろです。

いろんな食品の生産や輸送で実際に排出された温室効果ガスをその都度測るわけにはいかないので、このレポートでは既存の分析値に基づいていろんな数値を推定しています。また食品の消費量に関しては米国農務省がトラッキングしている197種類の食品のデータが使われています。

ただ、農業で発生する温室効果ガスは全体から見ると小さな要素で、2014年の米国においては全体の9%を占めているだけです。地球規模で見ても、農業と林業を合計して24%にしかなりません。

それでも、牛肉が温室効果ガスの発生源のひとつであることには変わりはありません。だから環境負荷が気になる場合、牛肉じゃなくて鶏肉とか魚を食べたほうがマシなようです。またはハンバーガー食べるのを止めなくても、個人の車じゃなく公共交通機関を使うとか、エアコンの設定温度をこまめに調節するとか、使っていない部屋の電気は消すとか、できることはいろいろあります。

たとえばNRDCのレポートによると、同じ牛肉に見えても、普通の牛肉より「集約的輪換放牧」(放牧地をいくつかの区画に区切って一定期間で牛を移動させていく方法)で育てた牛肉のほうが環境にも牛にも優しいとか、いろいろあるみたいです。人間の環境負荷をゼロにすることは多分できませんが、無理のない範囲で少なくする方法を知っていきたいですね。

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image: hungryworks, nevodka / Shutterstock.com
source: Natural Resources Defense Council via InsideClimate News
reference: United States Environmental Protection Agency, 地球環境研究センター

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)

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